バンクーバー在住6年目、世界を股にかけるフリーターちひろうさぎの日記と映画レビュー。

2012/05/07

Cinema Review: Youth in Revolt


Youth in Revolt (2009) 日本未公開、未ソフト化 imdb  予告編

中古DVD屋で$4.99。最近DVDで映画観つつ英語勉強というのにますます力を入れております。こちらのDVDには必ず英語字幕が入っているので字幕なし→字幕オンにしてわからない単語を確認→もう一回字幕なしで観返すとあら不思議、バッチリ聞き取れるようになっている、という具合に、大変タメになるのだ。飽きないしね。


【あらすじ】
『JUNO/ジュノ』(2007)『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』(2010)『スーパーバッド 童貞ウォーズ』(2007)『キミに逢えたら!』(2008)でボンクラ童貞俳優となったマイケル・セラ主演。よく考えてみたら『JUNO』ではジュノ(エレン・ペイジ)を妊娠させているし、『スコット~』ではバンドやってモテてるし、『キミに逢えたら!』では元カノに贈った「マイベストmix」テープを拾った別の美女と意気投合、と正確に言うとそんなに童貞演ってないのだが、どうにも童貞のイメージが強い。たぶんボンクラと童貞がごっちゃになっているのだろう。本作では読書とシナトラ、フェリーニや『東京物語』が大好きな文化系童貞の役です。

自由奔放すぎる両親に振り回され、16歳にして人生悟りモードのニック(マイケル・セラ)。母親の恋人(ザック・ガリフィアナキス!)が起こした問題から逃れ訪れたオートキャンプ場で運命の人シーニーに出会う。キュートなだけでなく、ジャン=ポール・ベルモントや古いレコードをこよなく愛し、いつかフランスに移住したいというクールな女の子。思わせぶりな彼女はしかし、インチキ詩人のイヤミな彼氏に熱を上げていた。長身、フランス語ペラペラ、水泳選手の詩人を相手に手も足も出ない気弱なニックはもうひとつの人格フランソワ・デリンジャーを作り上げ、「彼女を手に入れるためならなんだってする!」とかなり間違った方向に猛突進していく。


【感想】
 童貞をこじらせた主人公ニックが一途で狂った愛をモノローグ形式で淡々と語るちょっとブラックなラブコメディ。あらすじからおわかりいただけると思うのですが、ちょっと『ファイト・クラブ』みたいな話でした。

別人格フランソワ(左)の手を借りてクールなワルになろうとする童貞(右)
"It's time to be bad, Nick."

フランソワというのはシーニーが夢見る未来の旦那様で、青い目のフランス人。母子家庭手当てで生活している母親から逃れ遠く離れた避暑地に暮らす彼女と一緒になるためにありとあらゆる悪事を働こうとするものの、気弱な自分に打ち勝つ事ができないニックの元に現れたもう一つの人格。常に煙草をくゆらせ、口ひげに裸足ローファーというスタイルでニックをそそのかす。しかし、どうやってもマイケル・セラはマイケル・セラなのでひたすら滑稽。

彼女のために指名手配犯となったニックは計画通りシーニーの元へ駆けつけるが、彼女はすでに例の恋人とともに全寮制のフランス語学校に移っていた。しかしここで諦めるニックとフランソワではない。フランス語に堪能なインド人?ヴィジェイをお供に寮に乗り込む。ここで登場するシーニーのフラットメイトを演じるのは『ソーシャル・ネットワーク』で「あのカワイイ娘は誰?」と注目され、直後『ドラゴン・タトゥーの女』のヒロインに大抜擢されたルーニー・マーラだ!他にザック・ガリフィアナキス、スティーブ・ブシェミ、ジャスティン・ロングと豪華なキャスト。母親の新恋人の警官(レイ・リオッタ)、不法移民をかくまっている近所のおじさん、ニックの唯一の親友"レフティ"、宗教オタクのシーニの両親、寮のトイレの天使などキャラがよく立っていて、それぞれの伏線がきちんと回収される。後半、シーニーの兄でヤク中のジャスティン・ロングが登場してからの全員トリップには笑った。家庭不和、郊外の閉塞感、もう一つのエゴ、爆発、指名手配、愛するシーニーを放校させるために睡眠薬を盛るなど、シャレにならない事態を「すべては愛のために」と笑い飛ばす。互いに夢見がちな16歳の男女が「それって…なんかロマンチックー♡」と容赦なく世界を破壊していく様子はブッ飛んでいて楽しい。

イエイ イエイイエイ♪



【ひとくち英語メモ】
I think of this radiant girl being swept away by handsome pretentious poet and it crushes me. She could never like me unless I decided to radically change every detail of  my personality.
(イヤミなイケメン詩人に熱を上げて幸せいっぱいな彼女を思うと胸が苦しい。ぼくが人格全てを根底から変えでもしない限り、彼女がぼくを好きになる事など決してありえないだろう。)

pretentious (プリテンシャス)というのはsnob(スノッブ)に少し似ていてお高くとまったイヤミなやつ、という意味なのですが、もっと具体的に言うと「へえ、映画好きなの?たとえば?」って人に聞いておきながら、その答えに対して「へえ~(笑)それで自称映画好きとか言っちゃうわけね(笑)」と鼻で笑うようなインテリ気取りの事を指すらしい。いるよねー、こういう奴。これを一言で表現できるなんて便利だわ。

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