2019/05/11

Money Matters バンクーバー生活の家計簿

明日の収入の保証は何もないフリーランス稼業。とくにfilm industryは繁忙期と閑散期がはっきりしており、ちょうど今閑散期に入った。つい先日まで45個くらいのプロジェクトが同時進行していて猫の手も借りたい忙しさだったのに、全部撮り終わって今はせいぜい5作品程度を業界の全員が取り合い殺伐としている。単純になぜ時期をずらさないんだろうか?わたしはソリッドな人脈とたしかな評判のおかげでずっと忙しかったので正直調子に乗ってたんですが、さすがにこの不景気で5月以降のスケジュールが白紙になってしまった。徐々に忙しくなるのは6月以降という噂だけど確定している次の仕事は8月から。その仕事に入ってしまえば半年くらいは休み無しなんだけどそれまでどうするか。多少は貯金あるしEI(=Employment Insurance 失業保険)も受給しているのでなんとかなるとは思うけど、無謀にも旅行を予約してしまったので本当に大丈夫なのか不安になり生活費を書き出してみた。これからバンクーバーに住む予定の人の参考にもなるかも。

バンクーバーの物価は元々高くて有名ですがここ7年間で目に見えて全てが値上がりした。それでも東京よりはマシかな?東京は家賃が高い上にシェア物件が少ないから…。こっちではもともと家の作りが大きめなのとそういう文化なのとで大人になってもシェアハウスで家賃を抑える人がけっこう多いです。でも外食含む食費や日用品は東京のほうが安すぎて前行った時マジで値札をつけ間違えてるのかと思った。安くてうれしいというよりはむしろ心配。

カナダに来たばかりの頃と比べると物価は高くなったけど、物の値段の相場がわかってきてどこでどういうものが買えるか、安いものがどこにあるかとか把握してるから全体的な生活費は車の維持費を除いたら減った。転職もしてやっと経済的に落ち着いたってかんじがするな。ワーホリ時代とか今振り返るとよく挫けなかったなってくらい貧乏だったし。ワーホリ行くのにいくら貯金してったらいいのかとか出発前よくググってたけど、あればあるほどいいとしか言いようがないね。仕事がすぐに決まればいいけどそうはいかない場合もあるし、新生活を始めるというのは思った以上にお金がかかるものです。これから旅に出る諸君においてはわたしのように惨めな思いをしないで済むよう、お金も英語力もきっちり準備しておくように。

バンクーバー生活7年目の一ヶ月の生活費

シェアハウス家賃: $550 安すぎ笑。これが貯金できている理由。ルームメイトたちはもっと払ってるけどわたしは長く住んでいるので7年前からの据え置き価格。今Craigslistで見たら同じエリアの同じスペックのシェアハウスだと最低でも$800~くらいが相場っぽい。
光熱費&WiFi: 約$60 ルームメイトみんなで割り勘。ボロ家で暖房効率が悪く冬は$90くらい、夏は$40程度。共用部分の掃除の事でいつもモメてたので先月からクリーニング業者を雇うことになった。大人は金で解決。
携帯電話: $61 BellからFidoに変えたらデータ10倍で月額は半額くらいになった。ここまで差があるって一体ナニゴト?日本と同じで2年縛りとかあるのでビザが安定しない頃は選択肢が少なかったのもあるけど、ちゃんとプランの比較はしましょう…さらに安いキャリアもあるけど遠征が多く電波途切れたら仕事にならないのでこれ以上は妥協できない。
Netflix: $9.99 もはやインフラだよね。ちょっと値上がりした気がする。
自動車保険: $214 高すぎ!ICBCの独占市場なので節約する方法は無い。
ガソリン代: $200 いまBC州のガソリンが記録的な高値らしい。燃費のいい小さい車にしておいて本当によかった。一回満タンにすると$50くらい(先月までは$40か$45くらいだったのに!)、仕事のロケーションにもよるけど大体週一回くらいガソスタに行く。
食費: $50~$200 仕事をしてるときはケータリング3食+おやつ+コーヒーと全て現場で出るので週末に軽い外食をする以外の食費はかからない。休みの今は毎日自炊。酒を止めたのでたまに外食してもお会計が安い。
日用品: $50? 洗剤とかトイレットペーパーとかタンポンとか、こういうものは日本と比べるとびっくりするくらい高いので覚悟しておくように。トイレットペーパーは12個入って$12~くらい。特売だと半額くらい。半額でもまだ高え!
服とか化粧品: $100 滅多に買わない。仕事用に黒い服が大量に必要になり一時期はUNIQLO Canada Onlineで爆買いしてたけどもう落ち着いた。わたしの持ち物の9割はWinnersで買ったもの。化粧品は時々まとめて日本の親友に送ってもらう。いつもありがとーう!
交際費: ??? 交際費ってなんだ?飲み会代のこと?断酒してもパーティには行くけど炭酸水しか飲まないのでお会計が$5とか。交際費といえばクリスマスの時期はめちゃくちゃお金がかかる。欧米に住んだものの宿命か。

合計 約$1,444

え?安ッ。なんか忘れてるでしょ絶対。笑
美容室は気の狂ったようなカラーを施すと高額なので年に2、3回しか行かない。ブラジリアン脱毛は2ヶ月に一度くらいで一回約$50。

家計簿はつけたことないけど支払いはコーヒー代も携帯代も全部クレジットカードなので履歴をたまに確認している。昔バイト先の更衣室で現金を盗まれて以来絶対に$20以上は持ち歩かない主義。

(参考)昔は払ってたけど今は払ってないもの

MSP(国保): 昔$75、去年からなぜか値下げして$37 カナダ人は所得によっては月額の割引がある。外国人は永住権を取って一年経つまでは所得にかかわらず満額を払うので本当にキツかった。銀行員時代は会社が払ってくれた。今はさすがに少し払わないといけないはずだけど更新のしかたがわからず。どっちにせよ今年だか来年だかに無料になると聞いた。
【追記】なんとなくそうだろうなと思ってた通り、月額の調整は自動で行われたようで「確定申告の結果をもとに月額が変更になりましたので来月からは請求書の額を収めるように」と手紙が届きました。
Translink monthly pass(電車、バス、船の一ヶ月乗り放題定期券) 1ZONE: $95 行動範囲によって値段が3段階。年々値上がりするな。今はたまにダウンタウン行く時以外は全部車移動なので買ってない。
酒とそれにまつわるタクシー代など: 最低でも$500 一個前の記事に書いたように断酒した。以前は毎日家かバーで飲んでいた。
ヨガの月極フリーパス: $120 今は$140くらいか?値上がりしすぎたので頭にきて解約。代わりに彼の会社の福利厚生に含まれるコミュニティセンターのヨガに通い始めた。立地アクセスも施設もクラスの質も大手スタジオと変わらない。プールやジムも使えるからむしろグレードアップ。


EI(失業保険)について 

失業保険Employment Insuranceは生活保護Welfareとは異なり、仕事している時に給料から天引きされているものを万が一自分に落ち度がないのに失業してしまった時に受給できるもの(自分から辞めた場合はもちろん対象外よ)。普通の会社員の場合失業直前の52週間に700時間以上働いていたことが条件で、ワーホリやワークビザの人でも受給資格があります。まあ払ってるんだから受け取れるの当たり前だけど。詳しいeligibilityはService CanadaのWebサイト参照。そういえばワークビザの時にオーナー都合で一方的にクビにされたことあったじゃん!あの時この制度を知っていればすごく助かっただろうに。ちなみに「自分に落ち度がないのに失業」というのにはハラスメントやストレスのために辞めざるをえなかった場合等も含む。多くの人には縁のない話かもしれないけど、全ポジション日雇いの我々にとってはこれが命綱。フリーランスとはいえ個人事業主ではなくプロダクションに委託されたペイロール会社に雇われている形になるのでプロジェクトが終わるたびに書類上ではクビの扱いなのだ。※個人事業主向けのEIプランは別にあります。給付額は週$562を上限に最近一番儲かってた週のgross payの55%程度が二週間ごとにまとめて銀行口座に振り込まれる。わたしの場合寝ずに働きまくってた週をもとに計算されるためほぼ満額もらっている。というわけで働いてないのに黒字だ!わっはっは。二週に一度オンラインで収入状況をリポートする義務があり、国外に出たり単発の助っ人仕事をした場合給付額の調整が行われ、まとまった案件に乗れた時点で給付ストップ。働いている間は給料からEI参加費が天引きされ企画が終わったらまた申告、の繰り返し。

働かなくても贅沢しなければ一応食っていけるとはいえ仕事大好きなんでできないの悲しいし長く無職でいるとなんというか人間としてヤバイかんじになってくる。しかし仕事に呼ばれるときはいつもめちゃくちゃ急なので他のバイトもできない&下手したらバイトするより家にいて失業保険もらったほうが儲かる…。旅行から帰ったら真面目に営業かけます。