2020/07/19

バンクーバーで一人暮らし②新居紹介、理想と現実

前回までのお話はこちら→
バンクーバーで一人暮らし ①物件探し


内見2軒ののち最初の物件に決定というなんとも拍子抜けなアパートハンティングの末勝ち取った我が家を紹介します。一人暮らし(+居候一名)なのでセキュリティ保護のため窓の外の景色をさりげなく隠しておいた。

リビング
リビング別角度
側転できるくらい広い
ベッドルーム
大きなクローゼットが2つ
右手のキッチンへと続く道。
このへんが一応ダイニングになるのか
昭和の香りがする台所です
…かと思いきや唐突にモダンなバスルームです
バスタブ周りだけ改装済みでチグハグ

家賃

(理想)$1500以下 (現実)$1500

立地はやはりセキュリティ上言えないのですが狙っていたエリアに見事収まった。周辺の同等グレードの部屋と比べるとお得感のあるお家賃。古めのアパートは暖房代とお湯代(要するにガス代)が含まれているところが多く、電気とWi-Fiだけ自分で契約して払う。シェアハウスは隙間風ビュービューの古い一軒家で、全然暖かくならないくせにとんでもない額の暖房代がかかっていたのでこれは助かるな。水道料金はバンクーバー市では基本タダです、というか固定資産税と一緒に土地の所有者が払う仕組み。いくらタダでも無駄遣いはいかんぞ。

賢い人なら家賃を$1500も払うなら賃貸ではなく購入してしまったほうがいいと考えるようですが、今回はとにかく一刻も早く引っ越したかったのと「アパート購入」という響きにビビってしまったので賃貸一択で。


間取り

(理想)1BR、2階以上 (現実)1BR、2階以上

わたし一人ならStudio(=ワンルーム)で十分かなと最初は思ってたんだけど、調べたら1BRとそんなには家賃が変わらないので1BR(=1LDK)にした。広さは640 sq ft (=約60平米)、はっきり言って広すぎて途方に暮れております。まあなんだかんだで家具とか入ったらそれなりになるのかもしれないけど、なんせ生まれてこのかたこれほどの面積を専有したことが無いもんでどこから手をつけていいものかわからない。北米でも都市によってサイズ感は全く違ってくるけど、バンクーバーの中心部では一般的に一人暮らしで500 sq ft以下が「狭い」とされているらしい。ダウンタウンだと380 sq ftなんてところもあるけど、YouTubeで検索するとこれくらいの広さでも家具の配置とか工夫してオシャレに暮らしてる人たくさんいる。持ち物の量にもよるか。部屋自体が狭くても地下などにストレージスペースを借りられる物件もあるので聞いてみるといいかも。

ベースメント(半地下)の物件はピッカピカにリノベーションしてあるところが多く、キッチンの設備や洗濯機なんかも最新機器が用意されていて、広くてお庭もついてたりするのに家賃が安いのですが、やはり独特の半地下の雰囲気があり好みが分かれるところだと思う。一軒家の地下なので上階にファミリーが住んでいる可能性が高く騒音が気になるとも聞いた。なんとなく外部から侵入されやすそうでセキュリティ的にも心配なので最初から除外して探した。内見すらしていないので上記の印象には偏見が含まれます。でも軒並み安いのには理由があるのは確か。

あと絶対に譲れなかったのが床がカーペットではなくフローリングであること、ホコリが気になるので。やはり人気があるのかフローリングの物件の方が多かった。

駐車場

(理想)屋内駐車場 (現実)屋内駐車場

シェアハウスは住宅街にあったので路駐するのが比較的簡単な上に 「この区画の居住者以外駐車禁止」区域のため必ず家の目の前に駐車できた。もちろん無料。しかし少しでも繁華街に近づくとそうはいかない。自分の家なのに駐車スペースを探してウロウロするのとか絶対に嫌だったので駐車場は妥協できない条件でした。あと今年2月に雪が降って見事にタイヤはまって大変だったのと、4月には車上荒らしに遭ったのでけっこう懲りてしまい、できれば屋内駐車場を借りたいと思っていた。アパートなら駐車場つきの物件は珍しくはないけど空きがあるかはタイミング次第、月額$50〜$200くらいで借りられる。うちは屋外で$25、屋内だと$50と内見の時に言われたような気がするのですがオーナーが契約書に含めるのをすっかり忘れていて、わたしもすっかり忘れていて、うちの居候くんだけが契約時に(気づくなよ…気づくなよ…)と念じていたらしい。気づかれるまでスットボケているつもり。入居直後にわたしに渡すはずだったガレージのリモコンをうっかり失くすなど管理人はちょっとボーッとしている印象。笑

その他細かい条件


幸いなことに最も根本的な理想は叶ったけど、目をつぶった条件ももちろんある。
洗濯機乾燥機が部屋についている物件を強く希望していたけどこれは今回の予算だとほぼ不可能だった。というか家賃に関わらず古めのアパートはだいたいどこも共用部分にコインランドリーがある、建物の構造上仕方がないみたい。NYに住んでる友達は各アパートにすらコインランドリーがないのでけっこうなお金持ちとかもみんな洗濯袋を担いで街のランドリー屋まで歩いていくと言ってたっけ。それよりかは幾分マシだし慣れるしかない。

あとはとにかく建物が古い。日本だったら絶対に「〇〇荘」と名付けられてるレベル。部屋自体は改装したてのバスタブを筆頭に少しずつアップデートしてあるのでそんなに気にならないけど、エントランスの辺りとか階段とか、レトロで素敵とかじゃなくてただただボロくて全くときめかない。だから内見の第一印象は良くなかった。管理人から「是非借りて欲しい」と連絡がなかったらパスしちゃってたかもしれない。あまりにもイマイチだったので契約書にサインする前にもう一度内見をお願いした。その時初めて気づいたけど7年も住んだという前のテナントが喫煙者で匂いもあるし壁が真っ黄色だった…今どき喫煙可能の物件なんかありえないけど前のオーナーが相当適当な人だったらしい。でも現オーナーに話したら入居日まで一週間しかなかったのにすぐに業者を手配し壁を塗り直してもらえた。いざ入居となって前の住人の家財が全部なくなった、ペンキ塗りたての部屋を見たら最初とだいぶ印象が違って今は普通に気に入ってます。

細かいことだと食洗機がない、キッチンのシンクが狭い、アウトレット(=コンセント)が少ないのとかも少し気になったけど生活に著しく支障が出るほどではない。この値段だったら文句は言えまい。あと木造なので両隣の騒音は住んでみるまでわからない博打であった。めちゃくちゃうるさいルームメイト7人とのシェアハウスに比べたらマシなのは確かだろう。一ヶ月近く住んでみた感想としては、隣室と接しているバスルームと廊下が週末などたまに騒がしいけど全然常識の範囲内でした。

7月1日にアパート入居、7月14日に前のシェアハウス退去でオーバラップがあったのでのんびりお引越し。いや全然のんびりじゃないよ!二週間あってもかなりしんどかった。これを仕事しながら月末の一日でやってのける人がいるとか信じられない。家具はシェアハウスに備え付けのものを借りていただけなので引っ越しトラックを手配せず、自家用車の小さなハッチバックにこまごまとした私物を詰めて毎日新居と旧居を往復。永住権が取れる前はいつ帰国になるかわからなかったので意識的にモノを増やさないようにしてたのにいつのまにこんなになっちゃったの…。本と服がネバーエンディングストーリー。


結局7月14日ギリギリまでかかってついに空っぽになったわたしの部屋。8年間本当にいろんな事があった。この部屋で夢を見て、恋をして、夢を諦めて、泣いて泣いて泣いてまた戻ってきて夢を叶えた。たくさんの出会いと別れがあった。さらば青春、一回り成長したわたしは次のステージへ進むよ。

2020/07/03

バンクーバーで一人暮らし ①物件探し

カナダに来るまでずっと実家住み、カナダに来てからはずっとシェアハウスだったので32歳にして生まれて初めて!一人暮らし(+現在居候一名)をすることになった。今年こそは引っ越したいと前から思ってたのにコロナで仕事が無くなってしまって保留していたのだ。撮影再開の目処は立たずとも、月に$2000の政府からの補助金CERBと月$500のBC州からの家賃補助がそれぞれ2ヶ月ずつ延長になったというニュースを受け、貯金の状況から言ってもまあなんとかなるのではという気がして思い切って決断した。スケジュール的にも番組レギュラーの仕事をしていたら引っ越しする暇なんかあるわけないし、そうでない時は単発の助っ人仕事が急に入るのでかえって予定が立たず、全プロダクションが活動停止していている今が逆にチャンスなのかもしれない。例年バンクーバーの賃貸物件争奪戦は初夏がピークだけど今年はコロナの影響で空き部屋が目立ち家賃も下がっているらしいと聞いた。たしかに住宅街歩いててもFOR RENTのサインをあちこちで見かける。うちの近所とかすごく人気のエリアでどこも常にウェイティングリストだったのにこんなの初めて。みんなどこに行ったんだ…?


引っ越しを決めたのが6月17日、遅くとも一ヶ月前に退去の連絡をしないといけないけど少しオマケしてもらって今のシェアハウスに7月15日まで家賃をおさめることになり、7月1日入居可能の物件を探し始めた。こんなギリギリ?と思うけど逆に一ヶ月以上前から入居者募集してる物件とか無いので今住んでいるところに退去を知らせてから次探すしかないんだと思う。わたしは今の家賃が超激安だから半月分オーバラップで払っても大した額じゃないけど、普通はそうはいかないよねえ。後で詳しく書くけど審査とかもあるのに退去日だけ決まっちゃって次が見つからないとか不安すぎる。今回はたまたまタイミング的にラッキーでした、もう二度とやりたくない笑。

賃貸の場合は不動産屋を通さずにCraigslistFB Marketplaceを使って個人で探すのが一般的です。他にもPadmapperとかZumperとかあるんだけど結局Craigslistと被っていて独自の広告はほとんどなかった。あとは歩き回ってFOR RENTのサインが出てるところに連絡してもいいけど、これも同じでどうせCraigslistに広告が載っている。まだこの街に来て日が浅い人なんかは実際歩いて地域の雰囲気を知るのはいいとは思うけどねえ。一応土地勘あるわたしの希望は今住んでいるCambie Villageか、12thから高速道路に出やすいVGHの周辺か、思い切って橋を渡ったWest End。夜遊びも滅多にしなくなったし車でしか出かけないので家賃が安い郊外でも別に良かったんだろうけど、東京出身のわたしはやっぱりある程度都会じゃないと落ち着かないのよね。都心でもKitsの方とかThe Driveの方とかはなんか自分が所属してると思えないというか、ちょっと違う感。

バンクーバーの家賃は激高くて世界的にも有名。実は何年か前に当時の彼(無職)と同棲しようと考えたことがあったんだけど、詳しく調べたら全く手が届かず諦めた。その頃に比べたら今たしかに家賃下がってるね。コロナのせいだから多分一時的なものだと思う。物価は変わるので契約してから途中で家賃が値上がりすることはよくあるけど、大家からテナントに対して3ヶ月前までに告知する義務があり、どれくらいの期間に何%値上げしてもいいという法律がちゃんとあるのでそんな急激に変わることは無い。あと今はコロナの救済策で12月までは家賃を上げてはいけない決まりになっている。狙ってるエリアだと2階以上の1BRは$1450くらいから、Studio(=ワンルーム)だと$1300くらいから?前は1BRで$1800以下ってなかなかなかったはず。今は$1800出したらかなり豪華なところ住めるけど、わたし一人で払える予算は$1500が限界です…。彼も一部払うけどあまりアテにできないし。

冒頭に書いた「一人暮らし(+現在居候一名)」がどういうことかというと、やむを得ない事情により例の彼♡が家に転がり込んできてなし崩し的に同棲することになったのよ(前回までのお話はこちら)。好きな人と自主隔離という夢が叶い4月からシェアハウスの狭い部屋で一緒に暮らしているのですが、まあルームメイト達との折り合いなどもあってここに長くはいられないという雰囲気になり、いろんなタイミングも重なって引っ越すことにした。彼はやむを得ない事情というかビザの関係で仕事はできないわあとどれくらいカナダに居られるのかもわからないわという状況なのであくまでわたしの一人暮らしに付いてくるという形です。

三日三晩Craigslistを見張って内見のアポを取ってみた。5軒くらい問い合わせて連絡ついたのが2軒。二週間後の入居者を決めるんだから大家も焦ってるはずなのになんで連絡返さないんだ、プンプン。まあシェアハウス探してた時もこうだったしあまり気にしないようにする。広告を見てウンウン悩まずにとにかくさっさと電話したほうがいいです、どうせ連絡つかない事が多いから悩む時間が無駄。メールは返信率低いので電話がベター。あと嘘とは言わないけど釣り広告みたいなのが1軒あった。内装レトロで超素敵なアパートがお手頃だったので秒速で電話したら自動音声で「$1500のお部屋はもう埋まりましたが同じ建物の$1900のお部屋に空きが出ました」って、確信犯すぎでしょ。Craigslistは誰でも投稿できる掲示板なのでscamはたまにあります。安すぎだったりなんとなく見るからに怪しいのでだいたいすぐわかる。たまにはラッキーもあるけど基本的にはちゃんと値段相応になっているものです。築浅でキレイだけど狭い、広いけど立地が不便、などなど。

なんか長くなってしまったのでここから巻いていこう。結果から言うと2軒内見に出かけて1軒目のところに決めた。17日に捜索開始で契約書にサインしたのが23日。簡単すぎて拍子抜け!たくさん巡るかと思ってこんなチェックリストまでちまちま作って印刷したのに。

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初めてシェアハウスじゃない物件の内見に行って驚いたのが、借り手が選ぶのと同時に貸し手も借り手を選ぶ権利があるということ。考えてみれば当たり前なんだけど世間知らずなもんですっかりお客様気分でした。Craigslistの広告にも「要レファレンス、要クレジットチェック」って書いてあったもんな。もっと用心深いところは「要雇用契約書」とか、赤の他人にこんなプライベートなことまで踏み込まれないといけないのか…。最初に見た物件で彼が「アプリケーションフォーム書いちゃおうか?」と言うので(えっ?1軒目なのに即決ですか?)と目で訴えたら「これは契約書ではないよ。これ書くと候補者リストに入れてもらえるというだけで、ある程度気に入った物件あったらその場で書いちゃってもいいと思うよ」と説明してくれた。彼も昔一人暮らししようとしたけどクレジットスコアが無いため審査通らず諦めたらしい。クレジットスコアって日本でもあると思うんだけど、海外での履歴は考慮されずカナダに来たらゼロ?からスタートになるので駐在や移民で長期滞在を考えているならすぐにでも取り組んだほうがいい。要するに「借りたお金を返せる度」のことで、適当なクレジットカードを作って少額でもいいのでとにかくお金を借りて期日までに返す、というのをコツコツ繰り返すことでスコアを上げることができる。借金が無いのが望ましいというわけではない点に注意!借金したほうがスコア高いとか変なの。わたしはここ数年やっとこのシステムを理解し全ての支払いをクレカに切り替えたのでスコアほぼ満点です。現在の大家のレファレンスももちろん心配ない。しかし問題は一番重視されるであろう仕事のことで、フリーランスなんで収入は月によってバラバラだし契約書は企画ごとだし直属の上司も企画ごとに違うのよ。業界の人ですごい稼いでるのにシェア物件に住み続けてる人がやたら多いのはこういうことなのか…?特に今はコロナで業界全員無職だしまだ再開できる見通しとか立ってないし、家賃払えるという証明は正直できないです。そして居候の彼は無職です笑。アプリケーションの「職場連絡先」のところに一応わたしはユニオンの連絡先、彼はビザ切れ直前まで働いていた職場の連絡先を書いたけど実際に電話されたらヤバイ。どこのアパートも条件はほぼ同じだろうし、こんなんで本当に部屋を借りられるのかと先行き不安になってしまった。

で、翌日もう一軒見に行ってまたアプリケーションを書いて帰ってきたら前日の物件の管理人から「明日にでもサインしに来ませんか?それとも他に決めちゃいました?」と催促メールが!あわあわあわ。てか昨日の今日って、絶対にレファレンスチェックとかしてないじゃん笑。まあ後から聞いたら単に「カップルに借りて欲しかった」とのことでした。万が一ひとりに何かあっても二人で力を合わせれば滞りなく家賃を払える可能性が高いからな。あと接客歴が長い彼は管理人とのトークも弾んで、身なりもコンサバ系できちんとしてるので印象が良かったのかも。居候くん、なかなか役に立つではないか。引っ越し作業もよろしく頼みますよ。

長くなったのでわたしが新居に求めていた条件(理想)、実際に入居することになったアパートの紹介(現実)、引っ越し作業の様子などについては次の記事に書きます。またね!