これまでのお話→2019年に応募したカナダ市民権は最低滞在日数の不足と筆記試験不合格のWパンチで棄却されました。ああ笑うがいいさ😭最低滞在日数はわずか2日届かず、筆記も1点足らずとギリギリすぎて「もしかしたら滞在日数は見逃して筆記再テストを受けることもできるかも?協議するので待ってくれ」と2年強も焦らされ続けるハメになった。さっさと棄却してくれれば再応募できたのに、なんてこった。永住権持ってるので特に急ぐ理由もないのですが、そうこうしているうちに時は流れPRカードの5年更新だの日本のパスポートの更新だの要らんペーパーワークと手数料がかさむのであった。2021年末にようやく正式に棄却という書面が届いたので速攻再申請した。
市民権取得(2度目の挑戦)タイムライン
2021年12月末にadult, individualでペーパー申請した時のタイムラインです。Eligibilityや提出書類、申請プロセスについての正確な情報はIRCC(移民局)公式Webサイトを参考にしてください。
2022年
1月4日 アプリケーションがSydney, NSオフィスに到着(ペーパー申請)
2021年の8月以降は大人が個人で申請する場合(=付帯家族がいない場合)オンラインでも申請できるようになったけど、導入されて日が浅いサービスは不安定なのではと疑って昔ながらのペーパー申請を選んだ。2023年3月現在は18歳以上の大人は基本的にオンライン申請して欲しいそうです。("Apply on paper ONLY if you’re not eligible to apply online.")市民権に応募できるのは永住権保持者のみで、永住権の時に散々審査されているので今回は書類がすごい少ない。決め手となるのが直近5年間のカナダ国内滞在日数(physical presence)なのでそこだけ絶対間違えないように!永住権取得してからカナダに居た日数と、その前に他のビザで滞在していた日数も半日分として数えることができる。
You (and some minors, if applicable) must have been physically in Canada for at least 1,095 days (3 years) during the 5 years before the date you sign your application.が、どんなに短くても国外にいた日数は差し引いて計算する。旅行や仕事で国境を越える機会多い人、気軽にアメリカに買い物行ったりするような人は要注意。わたしは前回これで引っかかった。週末アメリカに小旅行に行ったのをすっかり忘れていたのだ。そろそろeligibleと思っても焦らずに最低数週間、できれば数ヶ月余裕を持って応募するようにしましょう。ペーパー申請でパスポート(証明写真のとこだけじゃなくスタンプのとこだけでもなく)全ページのカラーコピー提出というのがなかなか辛かった…しかもパスポート更新したばっかりだったので2冊分で、1冊目は8割白紙2冊目は完全な白紙。森林伐採反対!語学試験スコアは市民権応募については有効期限がないので永住権の時のIELTS結果コピーを使い回し(2014年)。 ビザ関連の書類はまたいつ使うことになるかわからないのでスキャンしてきっちりフォルダーに分けてオーガナイズし、バックアップも取っておきましょう。
3月2日 Acknowledgement of Receipt (AOR) 受信
6月29日 Test Invitation オンライン筆記試験招待
パンデミック以降オンラインで筆記試験を受けられるようになった。メールが来た日から20日間の期限以内なら24時間いつでもどこでも受験可能。パソコンまたはタブレット、インターネット回線とデバイス内蔵または外付けのWebカメラが必要。前みたいにわざわざ仕事休んでダウンタウンの移民局オフィスに並ばなくていいからラクだ。
試験は公式ガイドDiscover Canadaからのみ出題される。公式ガイドはPDFや各種電子書籍ファイルで無料配布されており、冊子で欲しい場合は図書館で借りるか出版社にメールで注文する。
あとは模擬試験でひたすら練習さ。
前にも書いたけど試験は全問選択式のくせに鬼のように難しい。少なくとも一週間くらいは机に向かってガチ勉強しないと受かりません。 公式ガイドをくまなく読んで理解しているかという点をピンポイントで問われているので、もともと社会科得意だからまあ大丈夫だろうとかナメないほうがいい。政経、歴史、地理、アート、科学の功績等全ての章からまんべんなく出題される。しつこいようだけど要点を押さえて暗記するんじゃなくて枠外の注釈含む全文をよく読むこと。
7月9日 Citizenship Test オンライン筆記試験受験
Webカメラで監視されながら受験。20問中5問くらいが「さすがに常識やろ」で、10問くらいが「これ進研ゼミ(ではなくて公式参考書)でやったところだ!」で、2問が相当注意深く文章読まないとわからない感じで、3問は全くわからず脂汗かきながら消去法とカンで当てたかんじでした。まーーーた参考書のちっこい挿絵のキャプションから出題しよった、他にもっと大事な事あるだろうに!
受験後結果はすぐにわかる。勉強の甲斐あってなんと20点満点を取ってしまい、けっこう驚いた。やればできる子。
11月28日 Online Interview Invitation オンライン面接招待
めちゃくちゃ下手に出たせいか速攻返事が来た。オンライン面接をしたいらしい。パンデミック前は筆記試験の後に結果発表がてら全員面接を受けていたのだが、今は一部応募者のみで選抜基準は不明。わたしの場合担当者がアプリケーションをどっかに置きっぱなしにしていてメールの催促を読んで(やべっすっかり忘れてた、面接でもしてごまかしたろ)みたいなモチベーションだった可能性がある。
12月9日 Online Interview オンライン面接
ニコニコ優しいおっちゃんと15分くらい世間話しただけで終わった。このためにわざわざ仕事のスケジュール調整したけど本当になんなんだ...語学試験の結果が古かったので英会話力を試されていた説もある。「特に問題無さそうなので4-8 weeks以内に対面またはZoomのOath ceremony(市民権授与式)に招待されるでしょう。OathはたとえZoomでも国内からしか参加できず、その時点でPRカードは無効になるが市民権証明書の発行にさらに数週かかるので、やむをえず海外に行くような可能性があるなら直ちに連絡しなさい」と言われた。いくらPR(永住権)を持っていてもPRカードが無ければ入国できないというポンコツシステムのせいである。せっかくパスポートにICチップが入ってるんだからそういう情報もセーブしておいて欲しいね。
2023年
2月23日 Online Oath Ceremony Invitation 市民権授与式招待
2週間後のOath ceremonyに招待された。一方的に日時を告げられ(当然平日)、どうしても出られない場合はリスケジュールの申請をする。パンデミック以降Zoom開催になっていたOathも最近は徐々にin-personが復活しつつあると聞いたが、残念ながらわたしはZoom参加となった。
3月8日 Online Oath 市民権授与式
いよいよこの日がやってきた。6時15分AMログインって見間違いかと思っちゃった。カナダは国土が広すぎてアッチとコッチでは3時間もの時差がある。今回は政治経済の中枢である東部時間の朝に付き合わされたのでこんな早朝開始なのである。
世界中から集まった新カナダ人たちと一緒に涙を流しながら国歌斉唱するはずだった市民権授与式は、一人ぼっち台所の隅で開催されることとなりました...。
Zoomのバーチャル背景は使用禁止だけど紅白の飾りなどで盛り上がってもいいということだったので(本当に移民局からの指示にそう書いてある笑)、100均でいろいろ買ってきた。実は最初巨大な国旗を買ってきたのだが折りジワがひどく、アイロンを持っていないので軽く熱した雪平鍋で伸ばそうとしたら当然のごとく生地が溶けた。0日目からいきなり国旗を燃してしまった不良国民。アナーキーin CA。
22カ国からやってきた140人の移民が一斉にZoomログインしたのでかなりカオスだった。グループミーティングの時はメインの発言者以外はマイクをミュートにするのが慣習化しているのだが、そんなものは一部のリモートワーク民しか知らない慣習なので待機室みたいな場所で司会の人が全員を黙らせるのに15分くらいかかった。ファミリー単位で応募する人が多いのでたいへん賑やかである。スクリーンネームを名前ではなく席番号に変えるのにさらに時間がかかった。順番に個人チャットルームに呼び出され、本人確認とカメラの前でPRカードを切り刻むように指示される。全員終わるといよいよ式典パートが始まった。ドラマティックな音楽とともにカナダの美しい大自然や豊かな文化のプロモーションビデオが流れ、移民局長?みたいな人が「あなたたちは大きな決断をし、真面目に働きめちゃくちゃ勉強したおかげで今ここにいるのだ。この素晴らしい勇気と誇りをどうか忘れないで」というような祝辞を述べた。
右手を挙げてOath(宣誓)を復唱するのは最も重要な部分で、14歳以上の大人はこれをちゃんと言わないと市民権を受け取ることができない。英語でカンペを用意していたのにフランス語でもやらされて焦った。内容は「カナダの法律を守り国民の義務を果たすことを誓います」というようなもの。Oathの後はトルドー首相からのビデオメッセージがやはり2ヶ国語で流れ、最後に記念撮影(この記事の最初の写真)、国歌斉唱という流れでした。バンクーバーではフランス語話せなくても生活できるというだけで、カナダ全体で見れば英語とフランス語は等しく重要な公用語なのだ。
O Canada!Our home and native land!True patriot love in all of us command.With glowing hearts we see thee rise,The True North strong and free!From far and wide,O Canada, we stand on guard for thee.God keep our land glorious and free!
O Canada, we stand on guard for thee.
O Canada, we stand on guard for thee.
こうしてわたしはセリーヌ・ディオンと同じカナダ人になったのでした。The True North strong and free!
市民権取得にかかった費用
$630
(2021年12月末にadult, individualでペーパー申請した時の費用で、今後変更になる可能性があります)
プラス、証明写真や定形外郵便など雑費が$30前後か。
前回の申請料processing fee ($530)は棄却でも返金不可なのはわかるけど、市民権獲得料citizenship fee ($100)は返してくれないとおかしいだろうと請求したら半年以上経って小切手で返金されました。
市民権取得にかかった時間
応募書類が移民局に到着した日からZoomのOathまで:
428日=14ヶ月
428日=14ヶ月
(2021年12月末にadult, individualでペーパー申請した時にかかったprocessing timeです)
移民局公式サイトで発表されるprocessing timeの見込みは当時12ヶ月だったと思う。わたしの場合テストまではサクサク順調に進んで、そこから少し足止めを食らったけどこのくらいならnot bad at allであろう。2023年3月時点で今から申請すると23ヶ月かかる見通しのようです。これはあくまで予測でそれより短い場合もあれば長くかかる場合もある。
先に書いたようにZoom Oathだとその場で市民権証明書を受け取ることができず2-4 weeksで郵送という形になり、パスポート申請はそれ以降になるので旅行などの計画を立てる時は気をつけて。これも今年からe-certificateといって電子化しようとしているらしいけどわたしは案内来なかった。
長くなったのでカナダ人になった心境とかは次の記事に書きます。またね。