さきにワーホリビザは延長できないと申し上げましたが、ワークビザ、観光ビザ、学生ビザなどに書き換え(新しいものを取得)は可能。わたしとオーナーがチャレンジしているのはワークビザといって、勤務先の会社にスポンサーになってもらうビザ。なので個人では取得不可。「ワーホリで来ているこの外国人が帰国していなくなると会社としては非常に困る。どうにかこの人をもう少し長くカナダに引き止めることはできないか」と雇用主に国にお願いしてもらうのです。外国で職を得るということはつまりこの不景気に現地人の雇用を外国人が奪っていることになるのでそう簡単にビザは出ません。ところが専門職の場合はこれが簡単に出ちゃうのだ。たとえば医療関係職や美容師など。日本にいる時も思ってたけど今、大卒って負け組で本当に強いのは専門卒なんじゃないだろうか。。。
資格がなくても日本人しかできない仕事、たとえば寿司職人や日本人向けカウンセラーなんかはビザ取りやすいみたいです。わたしは何の資格も日本人的スキルもない丸腰で勝負。バイト先(ハンバーガー屋)が忙しすぎてわけもわからずガムシャラに働いていた夏にオーナーからビザスポンサーの話を頂きました。その時わたし泣いたの。カナダに長くいられるかもしれないという事と、「あんたなんかクビ!」って言ったのも一度や二度じゃなかったオーナーが、お金と手間をかけてもわたしを欲しいと思ってくれた事がうれしすぎて。もともとワーク取得は全然考えてなかった上に仕事が見つからなすぎて(仕事探し奮闘記はこちら)適当に始めたバイトなのにこんなことってあるんだねえ。うちのオーナーが持ってるもう一つの店舗に日本人の男性がいて、うちの会社が以前彼のビザをサポートして成功したということでわたしにもチャンスがあるんじゃないかという話になったらしい。彼はなんとその後永住権を取得しています。
※ワークビザについての最新情報はこちら Human Resources and Skills Development Canada (HRSDC) : Temporary Foreign Worker Program
自分で言うのもナンですがわたしが抜群に仕事ができるという事と、もうひとつオーナーが個人的にわたしの事を気に入ってくれたのがそもそもこの話のきっかけでした。オーナーは中国系カナダ人の女性(とそのパートナーの男性)なんですが、昔から何故か年上の女性に異様にモテる不思議現象がここでも身を助けた!カナダの母。バイト初日に「今すぐ帰れ」と言った母。それからずっとビビって避けてた。ところが彼女のお友達が店に遊びに来た時に「あなたが噂のチヒロね。彼女いつもあなたの話してるんだよ、もうあなたにゾッコンなのよ」って言うから、とっさに「わたしもオーナー大好きっす。カナダの母だと思ってますから」って言ったのが本人に伝わったらしく(調子いいな、わたし笑)そこからはsweetie, momと呼び合う関係に。同じアジア系だからお客さんに親子なの?って聞かれることもある。オバチャンなのでいつもわたしが腹ペコだと思っているらしく会うたびにいっぱいお菓子くれるかわいい人。わたし何もしてないのに普通に働いてると「あんた本当にかわいいわね!」とか勝手に萌えてる。You're way cuter, mom!
「実は誕生日なんです」と言ったら「なんでもっと早く言わなかったのよ!」と。 翌日ハグとカードとコーヒー券とお菓子をくれた。メッセージが泣ける |
まだビザ取れてないのでわたしからアドバイスできることはないんですが、資格なしでワーホリからワーク狙ってる人いたら勤務先は大きい会社のほうがいいです。いくら働きぶりがよくても日本語ができても会社が協力してくれなければ何も始まらないからねえ。複数のタレコミによるとチェーンのサンドウィッチ屋とかでも会社が大きいと太っ腹な上に今までもサポートした実績があるのでよくビザ出てるらしいよ(日本人に対して出てるかどうかは知らん)。あとは日本語を生かしたバイトがいいのかなあ。日本食レストランとかはどうなんだろう。ビザをちらつかせて奴隷労働させるところもあるみたいなので注意です。うちもなかなかオーナーが具体的に動いてくれなかったからもしかしてそのクチかと疑ったけど単に普段の仕事が忙しかったのとそんなに時間かかるって知らなかったかららしい。「早くしないと間に合わないよ」ってガンガン急かすべきだった。ていうかわたしもリサーチ不足でした。
ちなみにワークビザが出たら、仕事を変えることはできません。。。仕事辞めたらビザも同時に失効、即帰国。いくらカナダに居られるとはいえこれからもずっとハンバーガー屋で働き続けなければならない。でもわたしにとってはここに居られる事が最優先事項なので迷いはなかったです。もう少し時間をもらえれば永住権の取得も結婚移民も夢じゃないのだ。ビザがいつ、どれくらいの期間有効なものが出るのか、だいたいビザが出るのかどうかはただただ運次第。一度申請が棄却されても再申請して通る場合もあるそうなので辛抱強く待ち続けるしかないのだ。カナダの家の家賃は部屋をキープするために3か月分ほどの小切手をニコくん(大家)に預け、しかし万が一最悪の事態も考えて部屋をからっぽにして出かけるつもりです。すぐ帰って来られるかもしれないし、あるいは永遠にさよならかもしれないし、覚悟の置き場所がわからないのがつらい。ビザの期限まで残り40日。夏休みが40日間だったのを考えると本当にあと少しだなあ。
もしもカナダのビザを諦めなければならなくなったとしても、日本に長期間住むことはもうないんじゃないかと思ってます。ふるさとの東京は訪れる分には楽しいところだけど、わたしにとって暮らすのには最適な街になりえない気がして。人が多いとか放射能とかそういう問題じゃなくて、24年間わたしを窒息させてきた体制や精神性の話。先日実家からメールで「さんざんカナダで遊んだんだから帰ってきたら(年齢的に考えて)結婚か就職か選びなさい」とか言われて、いつでも一番信頼していた母までそういう思想に毒されてしまったと知って悲しかったけど、同時にもう日本には住まないという決意にもなりました。別に結婚や就職をしたくないって言ってるんじゃないんですよ。You know what I mean... 身捨つるほどの祖国はありや。