2019/07/09

仕事の鬼

4月の終わりから冬眠状態の続いたBC州film industryですが7月に入り徐々に息を吹き返し、史上最大に忙しい夏がやってくるとみんなが噂している。有能なPA=プロダクション・アシスタントの囲い込みはすでに始まっていて、わたしも7月の終わりからクリスマス休暇挟んで来年初春まで、3月にやったPilot以来のshow-call(シーズン通しで働くレギュラーメンバー)でブッキングされております。現場実績が150日間に届けばユニオンの正式メンバーになれる。いま110日くらいなのであともう少し!


現場職はプロデューサーや監督やDOPなど要するに最重要人物とケータリング業者以外はみんな日雇いまたは週単位での契約なので、偉い人でも平気でプロジェクトの最中にバケーションを取ったり即日クビになったりする。全員フリーター状態で万が一の時はMSP(国保)やEI(失業保険)など国の制度を利用するしかない。しかしユニオン=労働組合に所属すれば普通の会社員のように社会保険やリタイアメントプランに加入することができる。給料は同じ、フリーランスなのも同じで仕事が保証されるわけではないけど、優先的に仕事を振らないといけない決まりがあったり会員だけが閲覧できる先取り情報がある。ユニオンは部署ごとに5つあって加入しないと仕事が始められないポジションもある一方(インディーズ企画やCM除く)、平のPAについては完全に個人の裁量に任されている。実際はPAでユニオンに入ってる人はほとんどいない。なぜならわざとハードルを高くして入りづらくしてあるのでとにかく面倒で会費も安くないから。しかも苦労してやっと正式メンバーになれたとしてももし別の部署に転部したくなった場合にはまた別のユニオンの加入条件をクリアするためにイチからやり直しになる。メンバーシップは部署を移っても無効にはならないし複数のユニオンに所属することもできるがそれぞれ会費がかかる。

ユニオン志望者が提出する日誌(一日でも書き忘れたら無効)
今どき手書きの日誌って嫌がらせとしか思えない

PAが所属できるDGC: Directors Guild of Canadaは監督、AD、コーディネーター職のためのユニオンなのでこの部門でキャリアを積みたいのでなければ加入する意味がないと考える人が多い。だいぶ上の方まで昇進してやっと他の部署(照明とか音声とか衣装とか)の見習い一日目のお給料に届くなど最も報われない部署なのもあり、エントリーレベルポジションであるPAを足がかりにして転部しようとしている人がほとんどなのが現状。しかし短期間で転部が決まるラッキーなケースは稀で、なんだかんだで2年3年とPAを続ける羽目になり結局ユニオンに入っておけばよかったと後悔する人は多い。わたしも今の部門に留まるつもりはもともと無かったけど、最初からDGC加入を最初の目標にしてこつこつやってきた。とりあえず目に見える目標があるとがんばれるから。必要な資格は全部最初にまとめて取ってしまい、以来ほぼ途切れないペースで仕事できているので最短期間でメンバーになれそう。もともと人の紹介で業界に入って(どの部署も紹介がないと入れないのだが)、奇跡的な縁でバンクーバーのこの分野で一番名の高い先輩達と一緒に仕事をさせてもらっているので、ユニオンに入ることで今までお世話になった人達に対して一種のけじめというか本気だということを証明したかったのもある。まあ保険でレーシックしたい気軽に歯医者や整体に行きたいというのが最大の志望理由なんだけど笑。転部するまでの間所属できる機関があると安心だし。

PAって具体的に何してるの?とよく聞かれるんだけど「言われたことを何でもする」としか言いようがない。大きく分けるとPrep Wrap crewとShoot crewの2つがあり、わたしは主にShootをやるけどたまにPrep Wrapも手伝うことがある。Prepは前日までにロケ地の下準備をするチームのことで、Wrapは撮影後に原状回復するチームのこと。ロケ地のオーナーとの連携の関係もあり同じ人達がやった方が話が早い。Prep WrapはShootと給料同じなのに圧倒的にラク。Prepは朝7時に集まって養生を済ませたら後は大道具さんなどが働いてるのを見守り、機材トラックのために借りたスペースを違法駐車に取られないように監視し、たまに進行状況をオフィスに報告しつつ勝手に休憩を取って終わったら帰る。Wrapは掃除がメインだけど他の部署のものは触ってはいけない決まりだし細かいところは清掃業者に委託するのでみんなが働くのを見てるだけ。一日の大半を座ってボーッとするか雑談するかして過ごす。大してやることもないので最大で12時間、運が良ければ4時間くらいで帰れることもある。15時間立ちっぱなしで心身すり減らして働いた時と同じ日給(本当は8時間以下は給料違うけどほぼ必ずおまけしてもらえる)。なのでこれを専門に活動しているPAもいるけど、スタジオ撮影の時は出番がないので仕事にあぶれやすい。また他の部署との関わりが最小限になるので出世は遅くなる。

歴史的建造物を傷つけないよう細心の注意を払う

撮影本番Shooting crewの時はPAは誰よりも早く現場に着き誰よりも遅くまで残るので15時間以内に終わることはまずありえない。15時間を超過すると残業代が出る。最低でも集合30分前に現場にいるのが暗黙のルールで通勤含めると拘束時間は17時間くらい。Show-callの時はこれを週5日か6日×3ヶ月〜半年やる…!現場に着いたらまずケータリングで朝ごはんを食べてからクルー駐車場の案内をする係と設営係に分かれる。駐車場/ サーカス(楽屋や事務所トレーラーが並ぶベースキャンプ)とセットは別の場所にある場合が多いのでロケバスで移動。

サーカスの様子
こういうのもPAが設営する

ゴミ箱とテントを一通り設置し終わったら持ち場に割り振られ、基本的には警備員か清掃員か交通整理係員のようなことをする。PAを取りまとめるKey PAはすべてのエリアに誰か配置し、そこで何か問題があった時には無線で指示を出す。よく全員の名前と担当エリア覚えられるなといつも感心する。肝心な時に担当の者がいないと困るのでトイレや軽食などで持ち場を離れる時はspell offといって代理係に一時的に持ち場を任せ、用事が終わったら速やかに戻る。実際に撮影が行われるセットに近い場所にレギュラーメンバーを、遠い場所にday-callと呼ばれる補欠メンバーを充てることが多い。カメラが回っている間にクルーに静かにするように促したり、警察と協力して通行人や交通をストップしたり、誰かが勝手にドアを開けて入ってこないよう見張ったりする。今はほとんどデジタル撮影とはいえショットに必要ないものが写り込んだり雑音が入ってしまうというような初歩的なミスは許されない。今は何をしていて次にどういうショットを撮って何が起こるのかは無線で実況されるので常に注意をはらい、わからない時は聞く。無線での応答は大勢のクルーに聞かれていて直接評価に関わり、連続でトチると干される。逆に効果的な応答ができれば一目置かれて補欠メンバーからレギュラーに、レギュラーからAD見習いにと昇進できるチャンスでもある。ジョークはいいタイミングで言えれば好印象だけど汚い言葉を使ったら干される。このマイクパフォーマンスが英語が母語でないわたしにとってはとても難しい。 独特の専門用語にはすぐ慣れたけど。

"Copy that=了解"

あとはクルーに頼まれたことを何でもやる、一時的に荷物を見張ったりお水を配ったり無線でロケバスを召喚したりパイプ椅子や机を手配したり、冬ならプロパンヒーターのリクエストが多い。備品や撮影機材は高価なので絶対に目を離してはならない。設営と撤収はひたすら力仕事だけどその間は割とのんびりできる時間もある。なので休憩時間はない。身体や気持ちが辛いときはKey PAに相談して個別に休憩をアレンジしてもらう。食事はセルフサービスの軽食ステーションに加えて朝食、サンドイッチ、昼食、夜食の4回ケータリングサービスがあり、めっっっちゃくちゃ豪華。だって出演者が食べるのと同じメニューだもん。しかしPAは持ち場に持ち帰って仕事をしながら食べる。座って食べられることはほとんどない。雨や雪が降っていても同じ。


PAは業界の最底辺であり、とにかくキツいし全然かっこいい仕事ではないけれどわたしたちがいなければ現場は回らないので偉い人も同じチームの仲間としてリスペクトしてくれる、偉い人ほどリスペクトしてくれる。フリーランスの仕事の奪い合いは競争が激しく、たとえば6月は仕事待ちをしているPAのリストに300人が書き込んでいた。わたしは仕事を始めた最初の月以降そこに書き込んだことがない。失業保険があるので別に無理に働かなくてもいいと思ってるのと笑、ソリッドなコネがあるのと、評判が良く勝手にみんながあちこちで推薦してくれるから。なぜ評判が良いかというと仕事をナメてないからじゃないかな?たぶん。あとよく言われるのはいつも機嫌が良さそうだから居ると現場の雰囲気が和らぐ、とかです。マスコット的な扱いなのね…。

交通整理をするのにはもちろん資格が必要です
これもユニオン参加条件のひとつ
撮影中はお静かに!みんなよくそんなに喋るネタが
あるなっていうくらいオシャベリだから大変

弁当を配る係だった時。
頼まれたら何でもやる

わたしがこれまでに関わった仕事を紹介します。数日手伝っただけの企画除く。Show-callで映画をやるとPAでもエンドクレジットに名前が載るんだけどまだやったことないのよ。これは次の目標で、今年はもう全部スケジュール埋まってるので来年中に実現したい。ドラマと映画はどっちが偉いとかは無いです、給料も同じだし。どの作品をやるかよりも誰と仕事するかどうかの方が大事で、基本は人に誘われるままくっついて行くだけ。PAはもちろんのこと現場で働くクルーの99%はクリエイティブな決定権を持たずただ言われたことをやるだけなので、この作品がやりたいとかは特に無い。しいていえばロケ地が近い作品がいいなというくらいかね。大自然を舞台にした話とかだとやっぱ遠征が多くなるんで都会の話がいいな、みたいな。しかし正直割に合わない仕事でもそこで出会った誰かの縁が次に繋がったりするので基本的にお誘いは断らないようにしている。複数オファーがあった時は先着順。

Deadly Class Season 1 初仕事でいきなりshow-callだったので第二話以降ほぼすべての日程に関わった。わたしの原点であり特別な作品。現場の様子は前にブログに書いた。原作ファンからもすごく評判が良かったのに熱い声援もむなしく打ち切りが決定、Season 2に進むことはできませんでした…。期待を込めて大道具や衣装など全部倉庫に取ってあったみたいなんだけど残念。

See Season 1 今秋ローンチするAppleの動画配信サービスの目玉作品。ジェイソン・モモア主演。BC州の歴史上最大規模の予算をかけたといわれる超大作。悪天候&気温氷点下の山奥で過酷なロケが続きレギュラーメンバーは何ヶ月もホテル住まいだったらしい。わたしは3週間ほど働いたけど膝を痛めてしまい離脱。負傷者続出、極寒の山を生き抜くためエネルギーが必要なのにケータリングが不味すぎて何も食べられないなど悪夢のようなショーであった。熊除けスプレーも渡された。

遠くて寒くて暗くてお腹空いて泣きそうなわたし
in トイレ

Republic of Sarah Pilot 『(500)日のサマー』のマーク・ウェブ監督と一緒に仕事ができて感無量。二週間、全日程遠征でBC州津々浦々旅をしながら撮った。馴染みのチームと一緒だったので超楽しかったしけっこういいホテルに泊まらせてもらって修学旅行気分。田舎町Agassizで撮影したときの様子が地元ニュースになった時の記事→こちら。パイロット回というのは配給会社にプレゼンするために製作するドラマの第0話で、これを気に入って買い取ってもらえばシーズン1を撮ることができる。買い取ってもらえなければお蔵入り。お金にならない企画は日の目を見ないシビアな世界。


Coffee and Kareem Netflix製作のアクション/コメディ映画 。夢にまで見た映画の現場はドラマの現場と全く同じでした。合わせて一週間ちょい助っ人しただけだったけど爆発やカーチェイスが多くて面白かった。『ハングオーバー!』で歯科医役だったEdさん主演。役者の本名と役名はわたしは必ずimdbで予習するけど普通はPAはそこまではしないと思う。

Beverly Hills, 90210 オリジナルキャストによるリブート企画で90年代の青春が戻ってくる!ノースバンクーバーで撮影真っ最中。PAで少し参加してからパパラッチ対策本部に引き抜かれた。パパラッチやファンが出待ちをするような番組は初めて(ジェイソン・モモアが出てるSeeはロケが僻地すぎて追っ手も来れなかった)。少し目を離すとすぐフラフラどっかに行ってしまうキャストやそのご子息やワンコを守るため走って追いかける日々。


今後はKey PAに挑戦してさらにTAD(AD研修生)、ゆくゆくはADを目指すことも可能といえば可能なんだけどわたしは平のPAに留まって転部活動に集中するつもりです。そして35歳までに年収$100k=1000万円稼げるようになる!しかし自分が正確には何歳なのか忘れちゃったんだよね笑。たぶん30歳から33歳の間だと思うんだけど…。

2019/06/22

ゆっちとハワイに行った

浮き輪はRoss Dress for Lessで購入

高校からの大親友でたびたびブログにも登場しているゆっちと、ずっと前からやってみたいと話していた海外待ち合わせ企画をついに実現させハワイに行ってきた。大学卒業旅行の時にも来たんだけどね(厳密に言うと卒業留年だったのだが話すと長いからここでは省く)(後でちゃんと卒業できました)。今回は大人になったので金にモノを言わせて一週間豪遊さ。レンタカーを借りて運転もした。9年前はお金もなかったし英語も話せなかったし車の運転もできなかった。ずいぶん遠くまで来たね。大人になるって最高だ。わたしは10代の時より20代の時より30代の今が一番楽しいです。

年を重ねると朝起きるのが早くなる笑。ゆっちはいつのまにかジョギングオタクになっていてわたしはお酒をやめて眠りの質が向上したので二人揃って朝は6時くらいからシャキシャキ活動していた。これが大正解で一週間通して混雑を回避しまくることができた。みんな意外と起きるの遅いんだね。ダイヤモンドヘッドも開店直後に登ったわよ。普段からジョギングやジム通いをしているゆっちには楽勝でも運動が大嫌いなわたしにとっては険しい道のりでした。サッと通り雨が降ったせいで虹が出て、素晴らしい眺めに出会えたのでがんばった甲斐があった。

遭難しようがないカラフルなわたし

ゆっちはTPOに合ったオシャレが得意




たまたま土曜だったので麓の公園でファーマーズマーケットが開催されていた。ダイヤモンドヘッドの入場料やこのファーマーズマーケットを始めハワイではお会計現金のみというところが割とあった。カナダではクレジットカードで払えないものは無いのでアメリカも当然そうかと思い一切米ドル用意してなくて、ゆっちにもいらないからと言ってあったので参っちゃった。結局わたしが持っていたなけなしのカナダドルとゆっちが持っていたなけなしの日本円を免税店で両替してもらいなんとかしのいだ。アメリカ本土はまた事情が違うのかもしれないけどハワイは要注意だな。

クレジットカードOKだった屋台のスムージーを飲んでいよいよ暑くなる前にとっとと退散し、エアコンのきいたお部屋でお昼寝。


今回は噂の民泊サイトAirBnBでワイキキのど真ん中にある高層コンドミニアムを予約した。一泊CAD$150くらいでさらに清掃料だ手数料だが入るのでそんなには安くないけど、立地の良さと駐車場込みなのを考えるとまあ納得。ホテルと違って毎日の清掃は入らないので二人で手分けしてサッサと軽い家事などしてプチ同居気分で楽しい。キッチンもついててほとんど毎日自炊してかなり節約になった。ワイキキ物価高すぎ!少し離れるとそうでもないんだけどねえ(金にモノを言わせるんじゃなかったのか笑)。ゆっちが日本から美味しいお米やそうめんや調味料を持ってきてくれました。買い出しは主に庶民派スーパーのSafewayで、ちゃんと会員カードを作って会員価格で買えたぞ。ゆっちは高校生の頃から料理やお菓子を作るのが大得意だけどわたしはカナダに来る前は包丁を握った事すらなかったね。

やっぱアメリカといえばステーキでしょ
2−3人前で$11くらいだったお肉。

ハワイ名物ガーリックシュリンプ
エビがちょうど特売だった

おいしいお米を炊いて、

スーパーで買ってきたポケの具を載せてポケ丼。
具だけ売ってくれるのすごくいいな。ゆっちは糖質オフ中

オアフ島は卒業旅行の前にも何度も訪れたことがあったけど、車があると楽しみ方が全然違う。もうビーチというビーチは制覇して一番気に入ってリピートしたのがカイルアビーチ。見てくれこの青い海、白い砂浜!




バンクーバーでありがたがってたビーチとは一体何だったのか…。まあ比べるのもおかしいし、あるものに感謝して楽しむしかないんですけど。ここは整備されたビーチパークなので駐車場が3箇所ありトイレやシャワーも完備。自然な木陰もあって最高です。監視員さんもいるし浅くて波も穏やかだし岩っぽくなくてぼーっとするのにピッタリ。ぼーっとしすぎて二人とも日焼けヒリヒリになっちゃった。いたた。

そこから全米美しいビーチ選手権第一位に選ばれたというラニカイビーチにも足を伸ばしてみた。カイルアビーチから15分ほど住宅街をてくてく歩きます。近隣住民をリスペクトしてお静かに。



民家の隙間からこの光景が見えた時はもう鳥肌ものであった。


ちゃっかりインスタ映えを狙ったコーデのゆっち
TPOわきまえてますね (インスタはやってないらしい)





ここは天国か!少し前までは本当に知る人ぞ知るという秘境ビーチだったらしいがインスタグラム等で有名になり最近は混んでるらしい。要するにカイルアビーチの隣のビーチなんで水や砂浜の質はほぼ変わらない。ただしこちらのほうが風景がひらけていて午前中は人がほとんどいないのでまさに絶景を楽しむことができるし、写真を撮るのにはいいという事かな。駐車場もトイレもシャワーもゴミ箱も何もない上に一切日陰がないので長居するのには向かないかも。サッと行って写真だけ撮ったらカイルアビーチに戻るのがオススメ。

カイルアの魅力はビーチだけじゃない。車で5分くらい走ってカイルアタウンに出ればかわいいお店や美味しいものがいっぱい。行列ができるパンケーキ店のブーツアンドキモズもチェックしたよ。ぶっちゃけハワイの有名パンケーキ店は東京にも支店を出していていつでも食べられるらしいですがここんちはこの一店舗だけでプレミア感がある。朝9時ちょい前に着いて20分待ちだった。持ち帰りもやってるらしい。



噂のマカデミアパンケーキは確かに並ぶ価値のある美味しさ。ふわっとしていて甘すぎなくていいぞー!でも二人で1オーダーで十分。わたしたちは甘いのしょっぱいのと三角食べするのが好きなのでオムレツも頼んだ。こちらもチーズがとろけて美味。お客さんの8割くらいは日本人だったけど店員さんがゆっくりわかりやすい英語で根気強くコミュニケーションを取っていて好印象。ハワイは観光産業で成り立ってるからかバンクーバーに比べたらお店でもレストランでも接客がめちゃくちゃ丁寧だと思った。親切にしてもらったらちゃんとサンキューって言おう!日本の人があまりにも失礼なんで驚きました…。

別の日はノースショアのハレイワを目指した。車で1時間強、オアフ島横断の大冒険。緑の山に圧倒されたり茶色い畑の隙間を抜けたり、急に雨が降ったかと思えばまた晴れたりと、田舎道をドライブするのは楽しい。バンクーバーで運転するのはただただストレスで楽しいと思ったことなんか無かったけどハワイで初めてその感覚がわかった。



North Shore Marketplaceに車を停めてアサイーボウルを食べた。朝から全力で暑い日にピッタリ。Coffee Galleryというカフェ、いかにも地元の人がダラダラするスペースといったかんじでいいね。このモールけっこういろんなお店が入ってて、限定商品を売っているpatagoniaでゆっちは甥っ子姪っ子のお土産など爆買いしてました。カナダは旅行の後にお土産を渡す文化がないのよ。本当に大事な人が喜びそうなものがもしあったら買って帰るくらいで、親戚友達みーんなにとか職場にバラマキだとかは無い。てかアメリカとカナダはほとんど売ってるもの同じで為替を考えるとカナダで買ったほうが何でも安いし。一応彼氏にはコーヒー豆とかなんかちょこちょこしたものとか買ったけれど。

ハレイワはショッピングとガーリックシュリンプとシェイブアイスの街。名物のマツモト・シェイブアイス、の真向かいにあるアオキズはほぼ同じものを同じ値段で出しているのに待ち時間少ないし、このプラスチックのスタンドが便利で手がベタベタにならないし、カラフルなイートインスペースがかわいいしでオススメ。わたしのアイスは抹茶、生姜、リリコイ(パッションフルーツ)でシブい彩りなので写真はゆっちのアイスと撮った。


見た目より味重視
自家製生姜シロップが辛くて美味しい

アオキズの看板付近にたくさん生息していたミニ恐竜

一日一ビーチ以上しないと気が済まないので商店街を抜けたHaleiwa Aliʻi Beach Parkを一応覗いてみたけどカイルアビーチの美しさを見た後だとがっかり感が否めない…。岩場なので泳ぐのもこわい。シュノーケルするのにはいいのかも?

十分美しいビーチなのに…
海評価ハードルが上がりきっている我ら

しかしここは野生のウミガメに会えるので有名なビーチらしい。わたしたちもバッチリ見られたよ!なぜ発見できたかというとサマーキャンプの女子高生たちがやってきて引率の先生が指導しているのを又聞きしたからです。一瞬水面に顔を出した程度なので写真は撮れなかったけど縁起が良いね。鶴は千年亀は万年。

早起きしすぎてワイキキに戻ってもまだ早いような日はハッピーアワーを攻略したよ。参考にしたのは→ハワイのハッピーアワー時間割 このサイト本当に便利で旅リサーチに大活躍でした。



ゆっちのビールは$3でわたしのノンアルコールカクテルは$8とはこれいかに…。まあ世の中そういうもんか。ワイキキのど真ん中にできた新しめのモールInternational Market Placeすごくキレイでおしゃれで日本食スーパーも入って便利なのになぜかいつも空いてた。なんで???みんな行ってあげて!3階のレストラン街の店全部オープンエアだしハッピーアワーもやってて使い勝手良いぞ。休憩できるおしゃれな椅子もあちこちに置いてある。

もともとあった大木を活かした
ツリーハウス建築

最後の夜は豪華な外食。International Market Placeに入ってるハワイ料理Eating House 1849 by Roy Yamaguchiへ。バーでちょい飲みしてからテーブルに移るのがスマートさ。もしくはその逆でテーブル→バー。まあ酒飲まないからもうこういう作法意味ないけど…。




大好物の帆立を食べた時はさすがにちょっと白ワインが飲みたくなったけど、目を閉じて二日酔いの地獄を思い出して欲望をコントロール。炭酸水で乾杯。ゆっちと東京で飲み歩いた日々が懐かしい。飲まなくなってもわたしはわたしのままさ。これだけ違う環境で暮らしてても二人はずっと変わらず友達。

最終日はお昼前にAirBnBをチェックアウトし、アラモアナセンターの駐車場に停めた車をロッカー代わりにしてそこを拠点に動いた。何度も言うようだけど車は本当に便利!ゆっちのフライトが午後発でわたしのフライトは夜発だったので一緒に軽くランチをしたら駐車場でサラっとお別れ。ひとりアラモアナビーチを歩きながらゆっちが「うちら死ぬまでにあと何度会えるかねえ」みたいな事を言っていたのを思い出してプチ泣きした。カナダにも友達いるけど、この先何があってもこの子がいたら乗り越えられるとか、逆にこの子のためならできないこと一個もないと思える友達はやっぱりゆっちしかいない。まあ本当はできないこと一個だけあって日本に住むことなんだけど…。ゆっちカナダに引っ越して来ないかな笑。



海辺でKindle読んでたら2020年の選挙はバーニー・サンダース氏を応援してほしいという支援者に話しかけられた。詳しく話を聞きたかったのにカナダ人だから投票はできないと言った途端にすごい勢いで去っていってしまってシュン。あと咄嗟にI'm Canadianという言葉が出たことに自分で驚いた(国籍は今は日本です)。ハワイの地元の人にどこから来たの?と聞かれたら少し返答に困る。I'm originally from Tokyo but currently live in Vancouverが正確か。


オアフ島はゴールデンウィーク後でも本当に本当にどこに行っても日本人ばかりで、車で遠出してもやっぱり日本人ばかりで、ビジネスも中国人でも韓国人でもなく日本人をピンポイントでターゲットにしているところがユニークだと思った。アラモアナビーチは結婚式の写真撮影に人気みたいで等間隔に並んだ新婚カップルが指示されたポーズをはにかみながら決めていた。多分みんな年下だよな。ああいうカップルってどういうセックスしてるんだろう。31歳にもなると同級生の結婚出産ラッシュもさすがに一段落し、なんなら離婚してる人も再婚している人もいる。うちらが一度も結婚してない間にすでに二回も経験してる人がいるとかすごいな。わたしは自分で掴んだフリーダムに永遠の愛を誓ったので病める時も健やかなる時もこれを抱きしめ歩んで参ります。

健康で独身で子供もいなくてお金にやっと余裕ができてフリーランスだから時間の融通も利いて、カナダのビザの心配もないしいま人生で一番自由な状態で、でもそれがいつまで続くかなんて保証はどこにもないから、今のうちにもっといっぱい旅するべきだとつくづく思った。次はどこに行こうかねえ、ゆっち。


2019/05/11

Money Matters バンクーバー生活の家計簿

明日の収入の保証は何もないフリーランス稼業。とくにfilm industryは繁忙期と閑散期がはっきりしており、ちょうど今閑散期に入った。つい先日まで45個くらいのプロジェクトが同時進行していて猫の手も借りたい忙しさだったのに、全部撮り終わって今はせいぜい5作品程度を業界の全員が取り合い殺伐としている。単純になぜ時期をずらさないんだろうか?わたしはソリッドな人脈とたしかな評判のおかげでずっと忙しかったので正直調子に乗ってたんですが、さすがにこの不景気で5月以降のスケジュールが白紙になってしまった。徐々に忙しくなるのは6月以降という噂だけど確定している次の仕事は8月から。その仕事に入ってしまえば半年くらいは休み無しなんだけどそれまでどうするか。多少は貯金あるしEI(=Employment Insurance 失業保険)も受給しているのでなんとかなるとは思うけど、無謀にも旅行を予約してしまったので本当に大丈夫なのか不安になり生活費を書き出してみた。これからバンクーバーに住む予定の人の参考にもなるかも。

バンクーバーの物価は元々高くて有名ですがここ7年間で目に見えて全てが値上がりした。それでも東京よりはマシかな?東京は家賃が高い上にシェア物件が少ないから…。こっちではもともと家の作りが大きめなのとそういう文化なのとで大人になってもシェアハウスで家賃を抑える人がけっこう多いです。でも外食含む食費や日用品は東京のほうが安すぎて前行った時マジで値札をつけ間違えてるのかと思った。安くてうれしいというよりはむしろ心配。

カナダに来たばかりの頃と比べると物価は高くなったけど、物の値段の相場がわかってきてどこでどういうものが買えるか、安いものがどこにあるかとか把握してるから全体的な生活費は車の維持費を除いたら減った。転職もしてやっと経済的に落ち着いたってかんじがするな。ワーホリ時代とか今振り返るとよく挫けなかったなってくらい貧乏だったし。ワーホリ行くのにいくら貯金してったらいいのかとか出発前よくググってたけど、あればあるほどいいとしか言いようがないね。仕事がすぐに決まればいいけどそうはいかない場合もあるし、新生活を始めるというのは思った以上にお金がかかるものです。これから旅に出る諸君においてはわたしのように惨めな思いをしないで済むよう、お金も英語力もきっちり準備しておくように。

バンクーバー生活7年目の一ヶ月の生活費

シェアハウス家賃: $550 安すぎ笑。これが貯金できている理由。ルームメイトたちはもっと払ってるけどわたしは長く住んでいるので7年前からの据え置き価格。今Craigslistで見たら同じエリアの同じスペックのシェアハウスだと最低でも$800~くらいが相場っぽい。
光熱費&WiFi: 約$60 ルームメイトみんなで割り勘。ボロ家で暖房効率が悪く冬は$90くらい、夏は$40程度。共用部分の掃除の事でいつもモメてたので先月からクリーニング業者を雇うことになった。大人は金で解決。
携帯電話: $61 BellからFidoに変えたらデータ10倍で月額は半額くらいになった。ここまで差があるって一体ナニゴト?日本と同じで2年縛りとかあるのでビザが安定しない頃は選択肢が少なかったのもあるけど、ちゃんとプランの比較はしましょう…さらに安いキャリアもあるけど遠征が多く電波途切れたら仕事にならないのでこれ以上は妥協できない。
Netflix: $9.99 もはやインフラだよね。ちょっと値上がりした気がする。
自動車保険: $214 高すぎ!ICBCの独占市場なので節約する方法は無い。
ガソリン代: $200 いまBC州のガソリンが記録的な高値らしい。燃費のいい小さい車にしておいて本当によかった。一回満タンにすると$50くらい(先月までは$40か$45くらいだったのに!)、仕事のロケーションにもよるけど大体週一回くらいガソスタに行く。
食費: $50~$200 仕事をしてるときはケータリング3食+おやつ+コーヒーと全て現場で出るので週末に軽い外食をする以外の食費はかからない。休みの今は毎日自炊。酒を止めたのでたまに外食してもお会計が安い。
日用品: $50? 洗剤とかトイレットペーパーとかタンポンとか、こういうものは日本と比べるとびっくりするくらい高いので覚悟しておくように。トイレットペーパーは12個入って$12~くらい。特売だと半額くらい。半額でもまだ高え!
服とか化粧品: $100 滅多に買わない。仕事用に黒い服が大量に必要になり一時期はUNIQLO Canada Onlineで爆買いしてたけどもう落ち着いた。わたしの持ち物の9割はWinnersで買ったもの。化粧品は時々まとめて日本の親友に送ってもらう。いつもありがとーう!
交際費: ??? 交際費ってなんだ?飲み会代のこと?断酒してもパーティには行くけど炭酸水しか飲まないのでお会計が$5とか。交際費といえばクリスマスの時期はめちゃくちゃお金がかかる。欧米に住んだものの宿命か。

合計 約$1,444

え?安ッ。なんか忘れてるでしょ絶対。笑
美容室は気の狂ったようなカラーを施すと高額なので年に2、3回しか行かない。ブラジリアン脱毛は2ヶ月に一度くらいで一回約$50。

家計簿はつけたことないけど支払いはコーヒー代も携帯代も全部クレジットカードなので履歴をたまに確認している。昔バイト先の更衣室で現金を盗まれて以来絶対に$20以上は持ち歩かない主義。

(参考)昔は払ってたけど今は払ってないもの

MSP(国保): 昔$75、去年からなぜか値下げして$37 カナダ人は所得によっては月額の割引がある。外国人は永住権を取って一年経つまでは所得にかかわらず満額を払うので本当にキツかった。銀行員時代は会社が払ってくれた。今はさすがに少し払わないといけないはずだけど更新のしかたがわからず。どっちにせよ今年だか来年だかに無料になると聞いた。
【追記】なんとなくそうだろうなと思ってた通り、月額の調整は自動で行われたようで「確定申告の結果をもとに月額が変更になりましたので来月からは請求書の額を収めるように」と手紙が届きました。
Translink monthly pass(電車、バス、船の一ヶ月乗り放題定期券) 1ZONE: $95 行動範囲によって値段が3段階。年々値上がりするな。今はたまにダウンタウン行く時以外は全部車移動なので買ってない。
酒とそれにまつわるタクシー代など: 最低でも$500 一個前の記事に書いたように断酒した。以前は毎日家かバーで飲んでいた。
ヨガの月極フリーパス: $120 今は$140くらいか?値上がりしすぎたので頭にきて解約。代わりに彼の会社の福利厚生に含まれるコミュニティセンターのヨガに通い始めた。立地アクセスも施設もクラスの質も大手スタジオと変わらない。プールやジムも使えるからむしろグレードアップ。


EI(失業保険)について 

失業保険Employment Insuranceは生活保護Welfareとは異なり、仕事している時に給料から天引きされているものを万が一自分に落ち度がないのに失業してしまった時に受給できるもの(自分から辞めた場合はもちろん対象外よ)。普通の会社員の場合失業直前の52週間に700時間以上働いていたことが条件で、ワーホリやワークビザの人でも受給資格があります。まあ払ってるんだから受け取れるの当たり前だけど。詳しいeligibilityはService CanadaのWebサイト参照。そういえばワークビザの時にオーナー都合で一方的にクビにされたことあったじゃん!あの時この制度を知っていればすごく助かっただろうに。ちなみに「自分に落ち度がないのに失業」というのにはハラスメントやストレスのために辞めざるをえなかった場合等も含む。多くの人には縁のない話かもしれないけど、全ポジション日雇いの我々にとってはこれが命綱。フリーランスとはいえ個人事業主ではなくプロダクションに委託されたペイロール会社に雇われている形になるのでプロジェクトが終わるたびに書類上ではクビの扱いなのだ。※個人事業主向けのEIプランは別にあります。給付額は週$562を上限に最近一番儲かってた週のgross payの55%程度が二週間ごとにまとめて銀行口座に振り込まれる。わたしの場合寝ずに働きまくってた週をもとに計算されるためほぼ満額もらっている。というわけで働いてないのに黒字だ!わっはっは。二週に一度オンラインで収入状況をリポートする義務があり、国外に出たり単発の助っ人仕事をした場合給付額の調整が行われ、まとまった案件に乗れた時点で給付ストップ。働いている間は給料からEI参加費が天引きされ企画が終わったらまた申告、の繰り返し。

働かなくても贅沢しなければ一応食っていけるとはいえ仕事大好きなんでできないの悲しいし長く無職でいるとなんというか人間としてヤバイかんじになってくる。しかし仕事に呼ばれるときはいつもめちゃくちゃ急なので他のバイトもできない&下手したらバイトするより家にいて失業保険もらったほうが儲かる…。旅行から帰ったら真面目に営業かけます。

2019/04/21

Sober up, Buttercup 断酒宣言

東京やバンクーバーで伝説の酒豪としてその名を轟かせたこのわたしが!完全にお酒を断ってもう2ヶ月近くになる。これまた極端なんだから笑。

在りし日のパリピな千尋さん

前は家にいる日はワイン1本、飲みに出かける日は1本以上+食前酒と食後酒、クラブに行ったらまずは駆けつけテキーラショット3杯からというペースで毎日欠かさず飲んでいた。仕事がある日も朝食と一緒にワインを飲んで出かけた。散歩に行くにも映画に行くにもいつも水筒にワインを入れて持ち歩いた。東京にいた頃はその倍くらいは飲んでたな。とにかく20歳になってから10年以上ほぼ休まずに飲みまくった。飲まないという選択肢自体がなかったから。

ところがここ2,3年飲んでる量は減ってるのに極端に二日酔いが酷くなり、飲み会後はまだ酔ってるのにすでに二日酔いマインドに蝕まれて「また馬鹿なこと言った/やった」と落ち込むことが多くなった。Deadly Classの打ち上げやボスの誕生日会など仕事関係の飲み会でやらかした事がずっと頭に残ってこのままだと仕事に影響が出るのではと怯えた。若い子たちと一緒に働いてるので何でもInstagramのストーリーで中継されてしまう。翌日に謝って回れば「みんなも酔ってたから大丈夫」と言われるけどわたしは全然大丈夫じゃない。

2月。酔っ払いすぎて浅い眠りから覚めた明け方に、頭はグラグラするし脱いだ服も靴も床に散らばって、どうやって帰ってきたかは思い出せないのにまた醜態を晒した事は覚えてて、明日はもう一日中地獄の二日酔いに苦しむの確定で、急にもうこんな惨めな生活はいやだと思ってNetflixのLOVEで知ったSobriety Appをダウンロードした。似たようなアプリはいくつかあるけれどデザインが気に入ってI Am Soberというのを使っている。


Sober(しらふ)になりたい項目をまず選ぶ。アルコールや煙草や各種ドラッグはもちろん、ジャンクフードやギャンブルや自傷癖なんかも選べるようになっている。次に止めたい事柄に普段どれだけお金や時間を費やしているか入力する。それから何故止めたいと思ったのかを書いて保存する。セッティングが終わると秒単位でカウントが始まり、soberになってどれくらいの時間が経ったかとどれくらいお金や時間を節約できたかをいつでも確認できる。



北米では依存症の問題はとても深刻に捉えられていて、AA=アルコホリクス・アノニマスを始めとした自助会にもアクセスしやすくなっている。映画とかによく出てくるよね。依存症の多くはそもそも孤独や心の不安定さに起因しているから、同じ悩みを抱える仲間と進行具合を報告し合いながら一緒に克服するのは理にかなっている。アプリも掲示板機能を備えていて同時期にsoberになった仲間がどんな調子か、ポジティブな変化や離脱症状の状態なんかを共有できるようになっている。依存症の進行度は人それぞれだからアプリだけで立ち直れる人もいるし、ミーティングにたまに顔を出す程度でなんとかなる人もいるし、スポンサー(支援者)をたてて頻繁に通う必要がある人もいるし、専門家のセラピーを受けたほうがいい人もいる。わたしの場合はあまりにアッサリお酒を止められたので逆にビックリした。全然飲みたいと思わない。そういえばお酒ってあったねというくらいで存在すら忘れてしまう。そもそも仕事が忙しすぎて平日に飲む時間が無いので週末出かける時だけ気をつければいい。お酒の代わりに炭酸水にレモンを絞ったものをガブ飲みしている。別にシャンパンやビールじゃなくても泡なら何でも良かったんかい、自分…。体調は慢性的な倦怠感が無くなって頭もシャキっとした。肌の感じとかは別に変わらない。常にシラフだから急に仕事に呼ばれても車に飛び乗ってすぐに出かけられるようになった。起床即作業が始められるので仕事がない日もテキパキと動いて出世するための転部活動をしている。シラフだと一日が長い!あとお金の使い道が無くなったので貯金が捗る。外食するとお会計が安すぎて毎回何かの間違いかと思っちゃうわ。

逆に困ったのは、食べる事が楽しいと思えなくなって作業みたいになったこと。お酒がないなら食べる意味がない食べ物って多い。料理もあんまりしたくなくなった。体重はもちろん減った。別に痩せたくないというかこれ以上痩せたら不健康なのでちょっと心配している。あと酔っ払ってる時に発動する謎のクリエイティビティが無くなり良くも悪くも感情の幅が狭くなった。ボキャブラリーが減ったような感覚。「酒止めた」と言うと周りの反応は割と「あっそ」とか「Good for you」って感じで特にそれ以上何も聞かれないんだけど、お酒はやっぱりソーシャライズするためのツールというか人が集まるところに出かければワインは当たり前に用意されている。Soberになってからも会食やパーティには出てるしバーにも行く。そんでコーラすすってる。自分はお酒が無ければつまらない人間だとか思わないように気をつけないといけない。飛び道具に頼らないで丸腰で戦わなければならない機会が大人になると増えるものだ。

言っとくけどわたしはfucked-upだった20代の自分を恥じてなんかいないし、取り返しのつく失敗を若いうちに大体全部クリアできて本当によかったと思っている。この10年間お酒のある場所で面白い人にたくさん出会った。シラフだったらビビってしまうような人にもどんどん話しかけていったし、英語もずいぶん上達した。お酒の神様ありがとう。だけどもう十分楽しんだし、嫌いになる前にお別れしなくちゃ。一生のお別れかもしれないし、またいつか上手に付き合える日が来るかもしれない。その日までバイバイ。

あのJohn Waters師匠でさえ"Crazy is sexy when you're 25, but in senior years, it's just pathetic."(25歳でクレイジーなのはセクシーだが老いぼれが同じことをしても惨めなだけだ)と言っている。ずいぶん前の発言だけど。今のわたしはお酒なんかなくても最強なのだ。自分がかっこいいと思えるバージョンの自分にアップデートするのだ。

2019/02/20

Number of the Beast 車を買った

tokidoki大好き。
ファン歴10年以上

年末に宣言した通り車を買った。て、もう2月も後半だよ!途中で思いがけず仕事が入ったせいもあるけどまさかこんなに時間がかかるとは。

Film industryに転職して小金持ちにはなったものの大金持ちにはほど遠いのと、そもそも車に興味が無いので動けばなんでもいいやということで新車は最初から考えてなくて、ずっと中古車の様子をネットで見ていた。いくら興味がないとはいえAudiやベンツ(英語でマゥスィーディスという)が案外手頃に買えちゃうのを見ると欲が出てくるというものだ。でも車好きの友達に「買うとき安くてもメンテにお金かかるから絶対ダメ。日本車にしなさい」と止められたので素直に従うことにした。よく考えてみたら友達も職場のみんなもだいたいトヨタとかマツダとかホンダに乗ってるし、カナダでの日本車への信頼は厚い。

中古車の売買もやっぱり主流は無料掲示板サイトのCraigslist。ディーラーもここに広告を出してるしね。しばらく検索しまくっているうちに「動けばなんでも」からだんだん条件が絞れてきた。
  • 予算$5000くらい
  • オートマ(しか運転できない)
  • 日本車
  • 色は絶対に白
  • ハッチバック
  • 走行距離180,000km以下、できれば120,000km以下
  • Clean title
車は100%仕事用。お遣いなどで荷物が多くなることもあるだろうからトランクのスペースたっぷりのハッチバックがいいなと思った。ワゴン車やSUVも考えたんだけど何しろ運転初心者なのでとりあえず慣れるまでだけでもコンパクトなのにして将来的に必要になったら乗り換えるという方針に落ち着いた。

Clean titleっていうのはよくわかんないけど大事故とかはしていない車ってこと?CleanではないRebuiltっていうのは事故だか何だか問題があったけど直ったから大丈夫というようなステータスで、値段はおトクではあるんだけど割とバクチ的なところがあり車詳しくないなら避けておいたほうがいいらしい。

最初は友達や彼も一緒に探してくれて「これいい!これにしな!」と勧めてくれたんだけどどれもシルバーや黒や白で下半分がシルバーとかで、どーーーしても真っ白いのじゃなきゃイヤというのを譲らなかったらそのうちもう勝手にしろと見放された笑。どんどん時間だけが過ぎて、このチャンスを逃したら次のプロジェクトに突入してまーた車がないせいでみんなに迷惑をかけることになるのでかなり焦ってました。

そうしてバレンタイン後の三連休に、一週間ほど目をつけていた白い車のオーナーにやっと連絡してみた。ディーラーじゃなくて個人。「今日の午後でも見に来るかい?」と言うのでカーシェアリングのEvoでNew Westminsterまで遠征。彼の車があるのになぜわざわざレンタカーを借りたかというと、もし車を買えたとして帰る時にわたしはまだ一人で運転できないからです。本当に練習しないとやばいな。彼のSUVでたまに練習してたんだけど、マイカーを買ってしまえばさすがに自分を追い込むことができるだろうというのと、自分の車に慣れたほうがいいということでとにかく買ってしまうことにした。

※なぜ運転できないのにカナダの運転免許を持っているかという話は【カナダの運転免許を取るの巻】を読んでくれ、要するに大昔に日本で免許を取ってカナダのに書き換えた完全なるペーパードライバーなのです

こんな高いものを全然知らない人から売ってもらうなんて詐欺とか盗難車とか嘘のオンボロ車を掴まされるとか大丈夫なのか…。一抹の不安を胸にオーナーさんのお宅へ。マイクさん(通名かな)は中東系?の優しそうなおっちゃんだった。奥様が乗っていた車だが新しいのを買ったのでこちらは手放すということだった。わたしは何もわからないし彼氏もあんま詳しくないので適当に知ったふりをして車を眺めて、最近点検を受けているかとか少し聞いて、彼氏が少し近所を試乗してみて別に問題も無かったので即決。とにかくもう車探しの戦いから開放されたいという気持ちが強かった。10分そこらで「これ買います」と言ったらマイクさんは若干びっくりしていた。値切ったりとかもできるらしいけど、一応事前に調べていた市場相場を考えるとまったく妥当だったので何も言いませんでした。ちなみに$4950だった。安くはないけど高くもない。カナダには車検がないので年式や走行距離にかかわらず完全に持ち主の意識次第で車の状態が変わる。古くてもかわいがってもらってた車はまだまだ全然乗れるし、その逆もしかり。買う前の段階で車屋に行って総点検を受ける人も多いらしい。点検だけで$100くらいかかるけど高い車買うならやったほうがいいね。あとVINナンバーというシリアルナンバーがわかればメンテナンスの履歴をオンラインのデータベースで調べることができるんだけどこれも安価とはいえ有料。チッ。わたしはまあいいかなってかんじだった…日本車パワーとマイクさんの人柄を信じて。

保険が奥様名義なので本人と一緒に保険ブローカーに手続きをしに行かなければならず、彼女は17時まで仕事だという。この時点でまだ14時半くらい。とりあえず近所の銀行で降ろしてもらって支払いの準備をし、あとは近所のモールを延々とぐるぐるして暇つぶし。

支払いは個人売買なのでクレジットカードは使えない。最近はe-transferもあるけど限度額が一日$3000。他行への電子振込だと手数料が高くて($35~)しかも時間がかかる。なので現金か、高額の取引のときはBank Draft (=Money Order、額面によって呼び方が違うだけで中身は同じ)が好まれる。小切手と似てるんだけど発行人が銀行の立ち会いのもと先にお金を払って発行する小切手なので受取人にとって不渡りのリスクがない。このへんは元銀行員のわたしの得意分野。Money Order、行員時代は毎日何十枚も発行してたけど自分が購入するのは初めてだった。銀行カードと身分証明書と受取人のフルネームの正しいスペルを持って窓口に行く。手数料はどこの銀行でも$7.50くらいだけどうまく交渉すれば無料にしてもらえる可能性がある。わたしは当然無料さ。今回は気合いを入れて貯金していたので一括で支払えたけど、もし分割 financeにしたい場合は銀行ローン Line of Credit Accountを使う。

時間をつぶしながらいろいろ要らんものなど買ってしまいつつ、17時にモールの向かいでマイクさん&仕事を終えた奥様と落ち合った。奥様は大人だけど大変な美人でびっくり。保険ブローカーはあっちこっちにあって、わたしたちはLondon Drugsの片隅でやってもらった。自動車保険の仕組みは州によってそれぞれですが、わたしが住んでいるBC州ではICBCという機関の完全な独占市場なので保険ブローカーを見比べたりする必要はない。大都市バンクーバーでやたら事故が多いのと市場競争がないせいで保険料はむちゃくちゃ高いことで有名です。

このマークがついているお店ならどこでも同じサービス

マイク夫妻はもうナンバープレートを取り外して待っていてくれて、まずは奥様が保険を外れる手続きをした。これはものの数分。このあたりでやっとお支払い、Money Orderを手渡し。さすがにここまで来て詐欺ということはあるまい。次にわたしが保険に加入する番。これがなんだかんだで1時間くらいかかってスンマセンなんだけどオーナー夫婦には後ろのソファで待ってもらった。


個人売買専用のVehicle Transfer/Tax Formという書類を作ります。というか免許証渡したらあとは窓口のレディが全部書き込んでくれた。個人売買だから税金ないと思うじゃん?そんなわけはなくてきっちり12%のPSTをICBCに払います。わたしの場合は$594、高え…!月々の保険料は車自体の価値+オプションをつけるかどうかなどで基本額が決まり、そこから運転歴やら乗る距離やらで割引される分がある。わたしが払うのは月$214.99とのこと。た、高え…!そこに高騰し続けるガソリン代が上乗せされるのではっきりいって公共交通機関が便利なバンクーバーの中心地で車を持つのは全然オススメしません。まあ実際仕事で必要だから仕方なくという理由で持ってる人が多いんじゃないかな?ただし東京と違って駐車場代は安めというか繁華街以外は無料で路駐し放題。

登録がだいたい終わったらナンバープレートの授与。保険レディがいくつかから選ばせてくれた。別になんでもいいと思ってたんだけど、おしゃべりしている間に「ちなみにこういうのもあるけど誰も欲しがらないから除けてあるのよ」と言って奥から出してくれたナンバーをわたしも彼もとても気に入ったのでもらうことにした。「本当にいいの?」と何度も聞かれたけどわたしはキリスト教ではないし、かといって悪魔信仰でもないし無宗教なので気にしない。前後のアルファベット含め覚えやすくて大満足。奇跡のナンバー!プライバシー上公開できないのが残念…(だいたいわかっちゃったかな?)。



こうしてうちの子になったのが2007年式のTOYOTAのYarisちゃんです。日本だとVitzという名前で売られていたらしい。もちろん左ハンドルよ。5人乗り2ドア式は好みが分かれるところですが、わたしは仕事で後ろに人を乗せる機会とかまずないので全然気にならない。セミコンパクトで燃費抜群、駐車もラクラクよ。小さくてもハッチバックで後ろの席を倒したら収納広々。あまりにも車体が軽くて強風時の高速道路など不安というレビューもあったけど…まあ慣れることでしょう。

仕事は早朝集合深夜解散が多いのでラッシュ時に比べると運転の難易度はそう高くないはず。次の仕事が始まるまで10日間ほど、今は運転練習に集中して毎日YouTubeで勉強→彼の仕事が終わり次第一緒に公道に出て猛特訓の日々。運転はストレスでしかないけどもう車買っちゃったから諦めるわけにいかない。カナダに来てからは何事もできないんじゃなくて今はまだ慣れないだけだと自分に言い聞かせるようにしている。いつか絶対にアクビしながらでもできるようになる日が来る。今までだってずっとそうやってきたんだから。

緊張の面持ちで駐車場からバックしているところ

車を運転するのは自由になること。これからは誰かに頼まなくても好きな時に好きな場所に出かけて、重いものでもなんでも買って帰るんだ。