2019/05/11

Money Matters バンクーバー生活の家計簿

明日の収入の保証は何もないフリーランス稼業。とくにfilm industryは繁忙期と閑散期がはっきりしており、ちょうど今閑散期に入った。つい先日まで45個くらいのプロジェクトが同時進行していて猫の手も借りたい忙しさだったのに、全部撮り終わって今はせいぜい5作品程度を業界の全員が取り合い殺伐としている。単純になぜ時期をずらさないんだろうか?わたしはソリッドな人脈とたしかな評判のおかげでずっと忙しかったので正直調子に乗ってたんですが、さすがにこの不景気で5月以降のスケジュールが白紙になってしまった。徐々に忙しくなるのは6月以降という噂だけど確定している次の仕事は8月から。その仕事に入ってしまえば半年くらいは休み無しなんだけどそれまでどうするか。多少は貯金あるしEI(=Employment Insurance 失業保険)も受給しているのでなんとかなるとは思うけど、無謀にも旅行を予約してしまったので本当に大丈夫なのか不安になり生活費を書き出してみた。これからバンクーバーに住む予定の人の参考にもなるかも。

バンクーバーの物価は元々高くて有名ですがここ7年間で目に見えて全てが値上がりした。それでも東京よりはマシかな?東京は家賃が高い上にシェア物件が少ないから…。こっちではもともと家の作りが大きめなのとそういう文化なのとで大人になってもシェアハウスで家賃を抑える人がけっこう多いです。でも外食含む食費や日用品は東京のほうが安すぎて前行った時マジで値札をつけ間違えてるのかと思った。安くてうれしいというよりはむしろ心配。

カナダに来たばかりの頃と比べると物価は高くなったけど、物の値段の相場がわかってきてどこでどういうものが買えるか、安いものがどこにあるかとか把握してるから全体的な生活費は車の維持費を除いたら減った。転職もしてやっと経済的に落ち着いたってかんじがするな。ワーホリ時代とか今振り返るとよく挫けなかったなってくらい貧乏だったし。ワーホリ行くのにいくら貯金してったらいいのかとか出発前よくググってたけど、あればあるほどいいとしか言いようがないね。仕事がすぐに決まればいいけどそうはいかない場合もあるし、新生活を始めるというのは思った以上にお金がかかるものです。これから旅に出る諸君においてはわたしのように惨めな思いをしないで済むよう、お金も英語力もきっちり準備しておくように。

バンクーバー生活7年目の一ヶ月の生活費

シェアハウス家賃: $550 安すぎ笑。これが貯金できている理由。ルームメイトたちはもっと払ってるけどわたしは長く住んでいるので7年前からの据え置き価格。今Craigslistで見たら同じエリアの同じスペックのシェアハウスだと最低でも$800~くらいが相場っぽい。
光熱費&WiFi: 約$60 ルームメイトみんなで割り勘。ボロ家で暖房効率が悪く冬は$90くらい、夏は$40程度。共用部分の掃除の事でいつもモメてたので先月からクリーニング業者を雇うことになった。大人は金で解決。
携帯電話: $61 BellからFidoに変えたらデータ10倍で月額は半額くらいになった。ここまで差があるって一体ナニゴト?日本と同じで2年縛りとかあるのでビザが安定しない頃は選択肢が少なかったのもあるけど、ちゃんとプランの比較はしましょう…さらに安いキャリアもあるけど遠征が多く電波途切れたら仕事にならないのでこれ以上は妥協できない。
Netflix: $9.99 もはやインフラだよね。ちょっと値上がりした気がする。
自動車保険: $214 高すぎ!ICBCの独占市場なので節約する方法は無い。
ガソリン代: $200 いまBC州のガソリンが記録的な高値らしい。燃費のいい小さい車にしておいて本当によかった。一回満タンにすると$50くらい(先月までは$40か$45くらいだったのに!)、仕事のロケーションにもよるけど大体週一回くらいガソスタに行く。
食費: $50~$200 仕事をしてるときはケータリング3食+おやつ+コーヒーと全て現場で出るので週末に軽い外食をする以外の食費はかからない。休みの今は毎日自炊。酒を止めたのでたまに外食してもお会計が安い。
日用品: $50? 洗剤とかトイレットペーパーとかタンポンとか、こういうものは日本と比べるとびっくりするくらい高いので覚悟しておくように。トイレットペーパーは12個入って$12~くらい。特売だと半額くらい。半額でもまだ高え!
服とか化粧品: $100 滅多に買わない。仕事用に黒い服が大量に必要になり一時期はUNIQLO Canada Onlineで爆買いしてたけどもう落ち着いた。わたしの持ち物の9割はWinnersで買ったもの。化粧品は時々まとめて日本の親友に送ってもらう。いつもありがとーう!
交際費: ??? 交際費ってなんだ?飲み会代のこと?断酒してもパーティには行くけど炭酸水しか飲まないのでお会計が$5とか。交際費といえばクリスマスの時期はめちゃくちゃお金がかかる。欧米に住んだものの宿命か。

合計 約$1,444

え?安ッ。なんか忘れてるでしょ絶対。笑
美容室は気の狂ったようなカラーを施すと高額なので年に2、3回しか行かない。ブラジリアン脱毛は2ヶ月に一度くらいで一回約$50。

家計簿はつけたことないけど支払いはコーヒー代も携帯代も全部クレジットカードなので履歴をたまに確認している。昔バイト先の更衣室で現金を盗まれて以来絶対に$20以上は持ち歩かない主義。

(参考)昔は払ってたけど今は払ってないもの

MSP(国保): 昔$75、去年からなぜか値下げして$37 カナダ人は所得によっては月額の割引がある。外国人は永住権を取って一年経つまでは所得にかかわらず満額を払うので本当にキツかった。銀行員時代は会社が払ってくれた。今はさすがに少し払わないといけないはずだけど更新のしかたがわからず。どっちにせよ今年だか来年だかに無料になると聞いた。
【追記】なんとなくそうだろうなと思ってた通り、月額の調整は自動で行われたようで「確定申告の結果をもとに月額が変更になりましたので来月からは請求書の額を収めるように」と手紙が届きました。
Translink monthly pass(電車、バス、船の一ヶ月乗り放題定期券) 1ZONE: $95 行動範囲によって値段が3段階。年々値上がりするな。今はたまにダウンタウン行く時以外は全部車移動なので買ってない。
酒とそれにまつわるタクシー代など: 最低でも$500 一個前の記事に書いたように断酒した。以前は毎日家かバーで飲んでいた。
ヨガの月極フリーパス: $120 今は$140くらいか?値上がりしすぎたので頭にきて解約。代わりに彼の会社の福利厚生に含まれるコミュニティセンターのヨガに通い始めた。立地アクセスも施設もクラスの質も大手スタジオと変わらない。プールやジムも使えるからむしろグレードアップ。


EI(失業保険)について 

失業保険Employment Insuranceは生活保護Welfareとは異なり、仕事している時に給料から天引きされているものを万が一自分に落ち度がないのに失業してしまった時に受給できるもの(自分から辞めた場合はもちろん対象外よ)。普通の会社員の場合失業直前の52週間に700時間以上働いていたことが条件で、ワーホリやワークビザの人でも受給資格があります。まあ払ってるんだから受け取れるの当たり前だけど。詳しいeligibilityはService CanadaのWebサイト参照。そういえばワークビザの時にオーナー都合で一方的にクビにされたことあったじゃん!あの時この制度を知っていればすごく助かっただろうに。ちなみに「自分に落ち度がないのに失業」というのにはハラスメントやストレスのために辞めざるをえなかった場合等も含む。多くの人には縁のない話かもしれないけど、全ポジション日雇いの我々にとってはこれが命綱。フリーランスとはいえ個人事業主ではなくプロダクションに委託されたペイロール会社に雇われている形になるのでプロジェクトが終わるたびに書類上ではクビの扱いなのだ。※個人事業主向けのEIプランは別にあります。給付額は週$562を上限に最近一番儲かってた週のgross payの55%程度が二週間ごとにまとめて銀行口座に振り込まれる。わたしの場合寝ずに働きまくってた週をもとに計算されるためほぼ満額もらっている。というわけで働いてないのに黒字だ!わっはっは。二週に一度オンラインで収入状況をリポートする義務があり、国外に出たり単発の助っ人仕事をした場合給付額の調整が行われ、まとまった案件に乗れた時点で給付ストップ。働いている間は給料からEI参加費が天引きされ企画が終わったらまた申告、の繰り返し。

働かなくても贅沢しなければ一応食っていけるとはいえ仕事大好きなんでできないの悲しいし長く無職でいるとなんというか人間としてヤバイかんじになってくる。しかし仕事に呼ばれるときはいつもめちゃくちゃ急なので他のバイトもできない&下手したらバイトするより家にいて失業保険もらったほうが儲かる…。旅行から帰ったら真面目に営業かけます。

2019/04/21

Sober up, Buttercup 断酒宣言

東京やバンクーバーで伝説の酒豪としてその名を轟かせたこのわたしが!完全にお酒を断ってもう2ヶ月近くになる。これまた極端なんだから笑。

在りし日のパリピな千尋さん

前は家にいる日はワイン1本、飲みに出かける日は1本以上+食前酒と食後酒、クラブに行ったらまずは駆けつけテキーラショット3杯からというペースで毎日欠かさず飲んでいた。仕事がある日も朝食と一緒にワインを飲んで出かけた。散歩に行くにも映画に行くにもいつも水筒にワインを入れて持ち歩いた。東京にいた頃はその倍くらいは飲んでたな。とにかく20歳になってから10年以上ほぼ休まずに飲みまくった。飲まないという選択肢自体がなかったから。

ところがここ2,3年飲んでる量は減ってるのに極端に二日酔いが酷くなり、飲み会後はまだ酔ってるのにすでに二日酔いマインドに蝕まれて「また馬鹿なこと言った/やった」と落ち込むことが多くなった。Deadly Classの打ち上げやボスの誕生日会など仕事関係の飲み会でやらかした事がずっと頭に残ってこのままだと仕事に影響が出るのではと怯えた。若い子たちと一緒に働いてるので何でもInstagramのストーリーで中継されてしまう。翌日に謝って回れば「みんなも酔ってたから大丈夫」と言われるけどわたしは全然大丈夫じゃない。

2月。酔っ払いすぎて浅い眠りから覚めた明け方に、頭はグラグラするし脱いだ服も靴も床に散らばって、どうやって帰ってきたかは思い出せないのにまた醜態を晒した事は覚えてて、明日はもう一日中地獄の二日酔いに苦しむの確定で、急にもうこんな惨めな生活はいやだと思ってNetflixのLOVEで知ったSobriety Appをダウンロードした。似たようなアプリはいくつかあるけれどデザインが気に入ってI Am Soberというのを使っている。


Sober(しらふ)になりたい項目をまず選ぶ。アルコールや煙草や各種ドラッグはもちろん、ジャンクフードやギャンブルや自傷癖なんかも選べるようになっている。次に止めたい事柄に普段どれだけお金や時間を費やしているか入力する。それから何故止めたいと思ったのかを書いて保存する。セッティングが終わると秒単位でカウントが始まり、soberになってどれくらいの時間が経ったかとどれくらいお金や時間を節約できたかをいつでも確認できる。



北米では依存症の問題はとても深刻に捉えられていて、AA=アルコホリクス・アノニマスを始めとした自助会にもアクセスしやすくなっている。映画とかによく出てくるよね。依存症の多くはそもそも孤独や心の不安定さに起因しているから、同じ悩みを抱える仲間と進行具合を報告し合いながら一緒に克服するのは理にかなっている。アプリも掲示板機能を備えていて同時期にsoberになった仲間がどんな調子か、ポジティブな変化や離脱症状の状態なんかを共有できるようになっている。依存症の進行度は人それぞれだからアプリだけで立ち直れる人もいるし、ミーティングにたまに顔を出す程度でなんとかなる人もいるし、スポンサー(支援者)をたてて頻繁に通う必要がある人もいるし、専門家のセラピーを受けたほうがいい人もいる。わたしの場合はあまりにアッサリお酒を止められたので逆にビックリした。全然飲みたいと思わない。そういえばお酒ってあったねというくらいで存在すら忘れてしまう。そもそも仕事が忙しすぎて平日に飲む時間が無いので週末出かける時だけ気をつければいい。お酒の代わりに炭酸水にレモンを絞ったものをガブ飲みしている。別にシャンパンやビールじゃなくても泡なら何でも良かったんかい、自分…。体調は慢性的な倦怠感が無くなって頭もシャキっとした。肌の感じとかは別に変わらない。常にシラフだから急に仕事に呼ばれても車に飛び乗ってすぐに出かけられるようになった。起床即作業が始められるので仕事がない日もテキパキと動いて出世するための転部活動をしている。シラフだと一日が長い!あとお金の使い道が無くなったので貯金が捗る。外食するとお会計が安すぎて毎回何かの間違いかと思っちゃうわ。

逆に困ったのは、食べる事が楽しいと思えなくなって作業みたいになったこと。お酒がないなら食べる意味がない食べ物って多い。料理もあんまりしたくなくなった。体重はもちろん減った。別に痩せたくないというかこれ以上痩せたら不健康なのでちょっと心配している。あと酔っ払ってる時に発動する謎のクリエイティビティが無くなり良くも悪くも感情の幅が狭くなった。ボキャブラリーが減ったような感覚。「酒止めた」と言うと周りの反応は割と「あっそ」とか「Good for you」って感じで特にそれ以上何も聞かれないんだけど、お酒はやっぱりソーシャライズするためのツールというか人が集まるところに出かければワインは当たり前に用意されている。Soberになってからも会食やパーティには出てるしバーにも行く。そんでコーラすすってる。自分はお酒が無ければつまらない人間だとか思わないように気をつけないといけない。飛び道具に頼らないで丸腰で戦わなければならない機会が大人になると増えるものだ。

言っとくけどわたしはfucked-upだった20代の自分を恥じてなんかいないし、取り返しのつく失敗を若いうちに大体全部クリアできて本当によかったと思っている。この10年間お酒のある場所で面白い人にたくさん出会った。シラフだったらビビってしまうような人にもどんどん話しかけていったし、英語もずいぶん上達した。お酒の神様ありがとう。だけどもう十分楽しんだし、嫌いになる前にお別れしなくちゃ。一生のお別れかもしれないし、またいつか上手に付き合える日が来るかもしれない。その日までバイバイ。

あのJohn Waters師匠でさえ"Crazy is sexy when you're 25, but in senior years, it's just pathetic."(25歳でクレイジーなのはセクシーだが老いぼれが同じことをしても惨めなだけだ)と言っている。ずいぶん前の発言だけど。今のわたしはお酒なんかなくても最強なのだ。自分がかっこいいと思えるバージョンの自分にアップデートするのだ。

2019/02/20

Number of the Beast 車を買った

tokidoki大好き。
ファン歴10年以上

年末に宣言した通り車を買った。て、もう2月も後半だよ!途中で思いがけず仕事が入ったせいもあるけどまさかこんなに時間がかかるとは。

Film industryに転職して小金持ちにはなったものの大金持ちにはほど遠いのと、そもそも車に興味が無いので動けばなんでもいいやということで新車は最初から考えてなくて、ずっと中古車の様子をネットで見ていた。いくら興味がないとはいえAudiやベンツ(英語でマゥスィーディスという)が案外手頃に買えちゃうのを見ると欲が出てくるというものだ。でも車好きの友達に「買うとき安くてもメンテにお金かかるから絶対ダメ。日本車にしなさい」と止められたので素直に従うことにした。よく考えてみたら友達も職場のみんなもだいたいトヨタとかマツダとかホンダに乗ってるし、カナダでの日本車への信頼は厚い。

中古車の売買もやっぱり主流は無料掲示板サイトのCraigslist。ディーラーもここに広告を出してるしね。しばらく検索しまくっているうちに「動けばなんでも」からだんだん条件が絞れてきた。
  • 予算$5000くらい
  • オートマ(しか運転できない)
  • 日本車
  • 色は絶対に白
  • ハッチバック
  • 走行距離180,000km以下、できれば120,000km以下
  • Clean title
車は100%仕事用。お遣いなどで荷物が多くなることもあるだろうからトランクのスペースたっぷりのハッチバックがいいなと思った。ワゴン車やSUVも考えたんだけど何しろ運転初心者なのでとりあえず慣れるまでだけでもコンパクトなのにして将来的に必要になったら乗り換えるという方針に落ち着いた。

Clean titleっていうのはよくわかんないけど大事故とかはしていない車ってこと?CleanではないRebuiltっていうのは事故だか何だか問題があったけど直ったから大丈夫というようなステータスで、値段はおトクではあるんだけど割とバクチ的なところがあり車詳しくないなら避けておいたほうがいいらしい。

最初は友達や彼も一緒に探してくれて「これいい!これにしな!」と勧めてくれたんだけどどれもシルバーや黒や白で下半分がシルバーとかで、どーーーしても真っ白いのじゃなきゃイヤというのを譲らなかったらそのうちもう勝手にしろと見放された笑。どんどん時間だけが過ぎて、このチャンスを逃したら次のプロジェクトに突入してまーた車がないせいでみんなに迷惑をかけることになるのでかなり焦ってました。

そうしてバレンタイン後の三連休に、一週間ほど目をつけていた白い車のオーナーにやっと連絡してみた。ディーラーじゃなくて個人。「今日の午後でも見に来るかい?」と言うのでカーシェアリングのEvoでNew Westminsterまで遠征。彼の車があるのになぜわざわざレンタカーを借りたかというと、もし車を買えたとして帰る時にわたしはまだ一人で運転できないからです。本当に練習しないとやばいな。彼のSUVでたまに練習してたんだけど、マイカーを買ってしまえばさすがに自分を追い込むことができるだろうというのと、自分の車に慣れたほうがいいということでとにかく買ってしまうことにした。

※なぜ運転できないのにカナダの運転免許を持っているかという話は【カナダの運転免許を取るの巻】を読んでくれ、要するに大昔に日本で免許を取ってカナダのに書き換えた完全なるペーパードライバーなのです

こんな高いものを全然知らない人から売ってもらうなんて詐欺とか盗難車とか嘘のオンボロ車を掴まされるとか大丈夫なのか…。一抹の不安を胸にオーナーさんのお宅へ。マイクさん(通名かな)は中東系?の優しそうなおっちゃんだった。奥様が乗っていた車だが新しいのを買ったのでこちらは手放すということだった。わたしは何もわからないし彼氏もあんま詳しくないので適当に知ったふりをして車を眺めて、最近点検を受けているかとか少し聞いて、彼氏が少し近所を試乗してみて別に問題も無かったので即決。とにかくもう車探しの戦いから開放されたいという気持ちが強かった。10分そこらで「これ買います」と言ったらマイクさんは若干びっくりしていた。値切ったりとかもできるらしいけど、一応事前に調べていた市場相場を考えるとまったく妥当だったので何も言いませんでした。ちなみに$4950だった。安くはないけど高くもない。カナダには車検がないので年式や走行距離にかかわらず完全に持ち主の意識次第で車の状態が変わる。古くてもかわいがってもらってた車はまだまだ全然乗れるし、その逆もしかり。買う前の段階で車屋に行って総点検を受ける人も多いらしい。点検だけで$100くらいかかるけど高い車買うならやったほうがいいね。あとVINナンバーというシリアルナンバーがわかればメンテナンスの履歴をオンラインのデータベースで調べることができるんだけどこれも安価とはいえ有料。チッ。わたしはまあいいかなってかんじだった…日本車パワーとマイクさんの人柄を信じて。

保険が奥様名義なので本人と一緒に保険ブローカーに手続きをしに行かなければならず、彼女は17時まで仕事だという。この時点でまだ14時半くらい。とりあえず近所の銀行で降ろしてもらって支払いの準備をし、あとは近所のモールを延々とぐるぐるして暇つぶし。

支払いは個人売買なのでクレジットカードは使えない。最近はe-transferもあるけど限度額が一日$3000。他行への電子振込だと手数料が高くて($35~)しかも時間がかかる。なので現金か、高額の取引のときはBank Draft (=Money Order、額面によって呼び方が違うだけで中身は同じ)が好まれる。小切手と似てるんだけど発行人が銀行の立ち会いのもと先にお金を払って発行する小切手なので受取人にとって不渡りのリスクがない。このへんは元銀行員のわたしの得意分野。Money Order、行員時代は毎日何十枚も発行してたけど自分が購入するのは初めてだった。銀行カードと身分証明書と受取人のフルネームの正しいスペルを持って窓口に行く。手数料はどこの銀行でも$7.50くらいだけどうまく交渉すれば無料にしてもらえる可能性がある。わたしは当然無料さ。今回は気合いを入れて貯金していたので一括で支払えたけど、もし分割 financeにしたい場合は銀行ローン Line of Credit Accountを使う。

時間をつぶしながらいろいろ要らんものなど買ってしまいつつ、17時にモールの向かいでマイクさん&仕事を終えた奥様と落ち合った。奥様は大人だけど大変な美人でびっくり。保険ブローカーはあっちこっちにあって、わたしたちはLondon Drugsの片隅でやってもらった。自動車保険の仕組みは州によってそれぞれですが、わたしが住んでいるBC州ではICBCという機関の完全な独占市場なので保険ブローカーを見比べたりする必要はない。大都市バンクーバーでやたら事故が多いのと市場競争がないせいで保険料はむちゃくちゃ高いことで有名です。

このマークがついているお店ならどこでも同じサービス

マイク夫妻はもうナンバープレートを取り外して待っていてくれて、まずは奥様が保険を外れる手続きをした。これはものの数分。このあたりでやっとお支払い、Money Orderを手渡し。さすがにここまで来て詐欺ということはあるまい。次にわたしが保険に加入する番。これがなんだかんだで1時間くらいかかってスンマセンなんだけどオーナー夫婦には後ろのソファで待ってもらった。


個人売買専用のVehicle Transfer/Tax Formという書類を作ります。というか免許証渡したらあとは窓口のレディが全部書き込んでくれた。個人売買だから税金ないと思うじゃん?そんなわけはなくてきっちり12%のPSTをICBCに払います。わたしの場合は$594、高え…!月々の保険料は車自体の価値+オプションをつけるかどうかなどで基本額が決まり、そこから運転歴やら乗る距離やらで割引される分がある。わたしが払うのは月$214.99とのこと。た、高え…!そこに高騰し続けるガソリン代が上乗せされるのではっきりいって公共交通機関が便利なバンクーバーの中心地で車を持つのは全然オススメしません。まあ実際仕事で必要だから仕方なくという理由で持ってる人が多いんじゃないかな?ただし東京と違って駐車場代は安めというか繁華街以外は無料で路駐し放題。

登録がだいたい終わったらナンバープレートの授与。保険レディがいくつかから選ばせてくれた。別になんでもいいと思ってたんだけど、おしゃべりしている間に「ちなみにこういうのもあるけど誰も欲しがらないから除けてあるのよ」と言って奥から出してくれたナンバーをわたしも彼もとても気に入ったのでもらうことにした。「本当にいいの?」と何度も聞かれたけどわたしはキリスト教ではないし、かといって悪魔信仰でもないし無宗教なので気にしない。前後のアルファベット含め覚えやすくて大満足。奇跡のナンバー!プライバシー上公開できないのが残念…(だいたいわかっちゃったかな?)。



こうしてうちの子になったのが2007年式のTOYOTAのYarisちゃんです。日本だとVitzという名前で売られていたらしい。もちろん左ハンドルよ。5人乗り2ドア式は好みが分かれるところですが、わたしは仕事で後ろに人を乗せる機会とかまずないので全然気にならない。セミコンパクトで燃費抜群、駐車もラクラクよ。小さくてもハッチバックで後ろの席を倒したら収納広々。あまりにも車体が軽くて強風時の高速道路など不安というレビューもあったけど…まあ慣れることでしょう。

仕事は早朝集合深夜解散が多いのでラッシュ時に比べると運転の難易度はそう高くないはず。次の仕事が始まるまで10日間ほど、今は運転練習に集中して毎日YouTubeで勉強→彼の仕事が終わり次第一緒に公道に出て猛特訓の日々。運転はストレスでしかないけどもう車買っちゃったから諦めるわけにいかない。カナダに来てからは何事もできないんじゃなくて今はまだ慣れないだけだと自分に言い聞かせるようにしている。いつか絶対にアクビしながらでもできるようになる日が来る。今までだってずっとそうやってきたんだから。

緊張の面持ちで駐車場からバックしているところ

車を運転するのは自由になること。これからは誰かに頼まなくても好きな時に好きな場所に出かけて、重いものでもなんでも買って帰るんだ。

2018/12/20

Keep it Rollin' ちひろを止めるな!




PA(プロダクション・アシスタント)として初めてお仕事させて頂いたドラマ、Deadly Classが無事クランクアップしました。フリーランスの世界、最初はこれだけで食べていくのは難しいだろうからパートタイムの仕事でも見つけようとか考えてたんだけど、フタを開けてみたら超大忙しで3ヶ月間働き詰めだったよ。ユニオンの規定があるので一応毎日6時間くらいは寝れるんだけど残りの18時間は全部仕事と仕事場への移動時間という生活。しかも電車やロケバスの移動中とトイレの時以外は立ちっぱなし。もう人生で一番疲れた。でも人生で一番幸せな3ヶ月間でした。未経験の新人が最初にやるプロジェクトでshow-call(シーズン通しのフルタイムポジション)をオファーされるのは極めて珍しいことらしい。今までのフリーター生活で培った地味なスキルを高く評価されてもはや無双だった。The best PA ever(史上最強のPA)とか言われて他の子たちと比べて完全に特別扱いだったし。仕事においてここまでベタ褒めされたり熱烈に愛されたことがかつて無かったので最初からかわれてるのかと思った笑。ずいぶん遠回りしたけどやっと自分がいるべき場所が見つかったよ…。しかも人気コミックのドラマ化で、なんと『アベンジャーズ』のルッソ兄弟プロデュース!配給はアメリカのソニー・ピクチャーズ!!と最初からこんな大きい作品のために、第一線で活躍する一流のクルーと一緒に仕事することができて本当にラッキーでした。英語だけど予告編だけでも是非見てくれ〜


時は1987年。荒廃した街で未来も行き場もない若者たちが辿り着いたのは暗殺者育成学校、Kings Dominionだった。殺し合い、騙し合い、ドラッグにセックス、そして少しの友情…学園映画みたいに美しくなんかない、血まみれの青春をサバイブできるのは果たして誰か?  

現場でわたしたちがびしょ濡れ泥だらけで地道に手作りしたものがこんなかっこよく仕上がるなんてすごいぞ!この規模のドラマになると現場クルーだけで毎日120人くらいいる。いろんな部署のコラボレーションで作品が出来上がるのです。部署ごとにさながら部室みたいなトレーラーを持っていて、みんなで給食(無料)を食べて、夜中に出る夜食やコーヒーの屋台(無料)に並んで、○○部の誰と誰は実はデキてるらしいみたいな噂とかもあり、けっこう待ち時間が長いので延々だべったり、みんなで雨の中をうおーーーーっと走ったりとか、限りなく文化祭っぽかった。学園モノだから制服姿のキャストと大勢のエキストラがセットをうろうろしてて本当に学校みたい。キャストも腰が低くてフレンドリーな人ばっかりでクルーと一緒になってふざけてたね。長くPAをやってる子やベテランのクルーも「こんな仲良しな現場滅多にない」って言ってた。いまバンクーバーで撮ってるドラマや映画他にもいっぱいあるけど、すんごい険悪な雰囲気のところもあると聞くしなあ。

撮影のほとんどは郊外にある2つの巨大スタジオで行われた
室内をクレーン車が走れるくらい広い 。迷子注意
なんの変哲もないブルースクリーンでございます
セットに動物がいる日もあった
鶏、犬、ヤギ、アルパカなど
これはgrip部のマスコット犬アルピーくん。
カナダ人って普通に職場に犬を連れて来るよね
ダウンタウンでやった昼間のロケ
ロケはスタジオ撮影より緊張する
これもダウンタウンのロケ、たしか徹夜だった。
月明かりを演出するこの照明は…
こうしてヘリウムガスで浮くようになっているのです。
クレーンと使い分け。
精神病院の廃墟でのロケ。
撮影以外では入れない場所
もちろん火薬類取扱免許を持っている
特殊効果部の練習風景
笑っちゃうような豪雨の日も撮影決行
夕食にハンバーガーが出た数時間後に
夜食のハンバーガー屋台が来た奇跡の回
主演のベンの誕生日
楽屋トレーラーも風船だらけ。
最後にもらったプロダクションからの記念品、
校章入りスウェット上下
そういえば髪をピンクに染めたんですよ
ロケーション部飲み。
みんなハタチそこらだからめちゃくちゃ飲む
クラブを貸し切って盛大な打ち上げ
わたし含む数名酔っ払いすぎて追い出された笑

夢みたいに楽しかったな…シュン。毎日寝てる時以外ずっと一緒にいたこのメンバーが全く同じ組み合わせで集まることはもうないんだと思ったらすごくさみしい。まるで卒業みたい。わたしを「右腕」と呼んで大変かわいがってくれたボスが最後の日に「今までよくがんばってついてきてくれたね。I'm so proud of you. 君はこれからこの業界でどこまででも行けるよ」と言ってくれた。彼は6コも年下で、若いせいか少々だらしないところがあり最初はソリが合わなかったんだけど、いつからか親のような目線でわたしになるべくたくさんのことを経験させてくれようとしてくれるようになった。年下のくせにな!彼やそのまた上の大ボスも是非また一緒に仕事しようと言ってくれているし、他のPAとのコネクションもあるし、ユニオンのメンバー候補生にも認定されたので、今の部門で食いっぱぐれるということはないんじゃないかな。

例年12月から3月にかけては業界自体が「冬眠」に入ると言われているんだけど今年は繁忙期が来るのが遅かったためちょっと事情が違うかもしれないらしい。単発の仕事day-callを拾うこともできるんだけどしばらくゆっくりしようかと思って。クリスマスだしお正月だし。1月の終わりにボスが狙っている映画の仕事があるのでもしそれが決まればついていく予定。銀行員時代の2.5倍のお給料が出て、且つお金使う暇が全く無かったせいでまとまった貯金があるんだけど、旅行するかオンボロ中古車を買うかで悩んだ結果今回は車を取ることにした。業界でやっていくのにやっぱり車が不可欠すぎるので。この仕事を始めてライフスタイルががらっと変わった。まさか自分が車を運転することになるとか、仕事を好きになれるとか、お金の心配をしないで暮らせるようになるなんて3ヶ月前には想像もつかなかったことだもの。子供の頃からずっと戦ってきた「何者にもなれない」という不安とやっと決別する時が来たようだ。


Deadly ClassはアメリカSyFyチャンネルで1月16日から放映開始です。将来的に日本の動画配信サービスで視聴できるようになったりとかしたらいいんだけど。本当にがんばって作ったわたしたちの青春の結晶なので、多くの人に楽しんでもらえることを願っています。

…とこれを書き終わった瞬間にちょうどボスからメールきて1月の仕事がほぼ確定。なんというタイミング笑。もう少し休めるかと思ってたんだけど、呼ばれちゃしょうがねえ。止めるな、止まるな、let's keep it rolling. 

2018/09/16

Don't Dream it, Be it 夢を見るな、夢になれ

何度かメールでやりとりしていた知人の姉から一斉送信で「8月24日空いてる人?」とテキストが来た。「me!」と返信したらあっさり初仕事が決まった。面接とかはない。撮影前日の夜遅くに集合時間と住所が送られてきた。他にもFBのグループとかで常に仕事を探してるのだが、「明日来れる人募集」とかやたらとギリギリな求人が多い。


何の指示もなかったけど持ち物はネットで調べまくって事前に用意していた。わたしは平均的なカナダ人に比べると無口な方なので、ペラペラ営業トークができない分こういった小さいことで本気のやる気を見せていくしかない。腰につけるお道具ポーチには各種ペンとノート、十徳ナイフとライター、懐中電灯、ガムテープ、作業用手袋などを装備してある。仕事中は携帯電話は禁止なので腕時計も買った。服はカメラに写り込まないよう黒い服が好まれるみたいなので黒い防水ジャケットと黒いスキニーパンツを購入。わたしは喪服以外では絶対に黒を着ない主義なのですべてイチから揃えなければならない。初期投資ううう。モトがとれることを祈る。リュックの中には防寒具と替えの靴下と水筒、去年の確定申告の控え(Notice of Assessment 2017)と運転免許のコピー。映画の仕事はカナダで合法的に働けるビザさえあれば誰でもできるんだけど、ローカルの人間を雇うことを条件にBC州がプロダクションに補助金を出しているので、前年度の確定申告をBCで済ませていて今後も同州に住む予定という証明書とサインが必要になる。

当日は16時集合で明け方解散の徹夜のドラマロケだった。先に言っとくけどセットでは撮影厳禁なのでここからは文字ばっかですよ。指定された場所にだいぶ早めに着いたら白い巨大なバンがたくさん見えてまるで映画みたいだった。近くのスタッフに声をかけるとそこはまた別のドラマを撮っていた。高架下の空き地みたいなとこだったんだけど同じ日に3つ違う撮影をやっていたらしい。さすが「北のハリウッド」。なんとかアシスタントロケーションマネジャーの知人姉と合流し、とりあえず入り口を見張ってろと言われた。見たこともないようなでっかなトラックが次々とやってきて機材を搬入していく。PAの仕事の大半はこの「見張り役」で、わたしのようなチビが何を守れるのかよくわからないけど突っ立って見てろという指示が多かった。

2時間ほど突っ立ってたら代わりの人がやって来てブレックファストを済ませろと言われた(18時すぎ)。ごはんはめっちゃ豪華!ケータリングとコーヒーのトラックが来てアツアツの食事をオーダーできる。サラダや冷菜はバフェ形式になっていて、ケーキや山盛りのフルーツ、ジュースを生搾りできるコーナーも。もちろん全てタダ。誰もが寝不足の過酷な現場では意識的に栄養のあるものを摂らなければ身体が持たない。二回の大きな食事の合間にもスープや小さな丼ものやチキンなど随時ホットスナックが出て、さらにセルフサービスの軽食ステーションがある。役者もエキストラもスタッフも同じものを手があいた時に自由に飲食することができる。ていうかみんなどんだけお腹空いてるんだ、さっき食べたばっかだろ!笑

この日はわたしにとってのデビュー戦でもあったし、このドラマシリーズ自体の撮影初日でもあったのでみんなさぐりさぐり自己紹介していた。PAは蛍光色のベストを着ているので(黒い服が好まれるとは何だったのか)下っ端だとわかるはずなのに偉い人たちが「はじめまして、what's your name?」とわざわざ挨拶しにきてくれた。みんなすごーく優しい。PAの親分であるKey PAや知人姉もすれ違うたびに「大丈夫?楽しい?」と声をかけてくれた。「シーズンが終わる頃にはみんな家族さ」と言ってたけれど、わたしは今の所大きな撮影の時にだけ駆り出されるお助けPAなのでどれだけこの作品に関われるかはまだわからない。それでもメモをとって話した人の名前は全員覚えるようにした。フリーランスで成功できるかは人脈次第で、人脈づくりは今日からもう始まっている。

実際にキャストが入ってリハーサルが始まったのは22時ごろだった。24時間表記はカナダでは通常使われないけど、深夜に動く事も多いこの業界ではこれがスタンダード。ここからはセットの間近に配置されて面白かった。wakie talkie(トランシーバー)に耳を傾けてカメラが回ってる間にクルーをおとなしくさせるという役目。というのもトランシーバーは全員が身につけているわけではなく、また役職によってチャンネルが違うのでいつも情報が共有できているとは限らないのだ。超高性能のマイクは小さな雑音も拾ってショットを台無しにしてしまうので、「だるまさんがころんだ」状態で全員仕事をストップする必要がある。監督がカメラスタートの時にRolling, カットの時にCutと言うのがトランシーバーで聞こえたらそれぞれ大声でリピートしてみんなに知らせる。どちらも日本人のわたしには発音が難しくて、変だと思われるんじゃないかと萎縮してしまった。ネイティブスピーカーの大衆の前で大きな声でゆっくり正しくゥローリンと発音できる自信のあるものだけがわたしに石を投げなさい(泣)。ま、そのうち慣れたっていうか開き直ったけど。場面の転換の間にはホットスナックを配って歩いたりゴミを拾ったりゴミ箱を空にしたり雑用をこなす。

PAの仕事はだから①見張り②ローリンと叫ぶ③ゴミ捨て④テント設営など雑用一般、こんなもん。あともう一つがlock upといってロケの時に一般の通行人を閉め出す、である。26時頃に最初のセットからシャトルバスでドナドナされてダウンタウンに向かった。よりによって治安の悪いHastingとCambieのところ!一帯を封鎖してバイクのスタントを撮るという。白バイの警察がたくさん出動してライトをピカピカさせていてめっちゃワクワクした。彼らが車を止めてわたしたちPAは歩行者を止める。金曜夜のHasting stは思ったよりも危険な人はいなかったけど酔っぱらいが多かった。捌ききれるか心配だったけど周りに他のスタッフも警察もいたのでちょっかいを出されることもなかった。ふう。野次馬に「何撮ってるの?誰か芸能人いる?」とか聞かれたけどまだ秘密のプロジェクトのため偽のつまんなそうなタイトルで撮っている。主演女優はこないだ某マーベル映画に出てた若手のアジア人の子。大型トレーラーに牽引されたバイクに跨って彼女が現れた時はかっこよくて鳥肌が立った。

そう長く交通をストップするわけにもいかないので撮影自体はあっという間だった。80年代のサンフランシスコという設定で撮っているので大道具のアメ車のナンバーも全てカルフォルニア。クルーが撤収準備をしている間にこれをしばらく見張る。同じく今日が初日というPAの女の子とずっと一緒にいて楽しかった。サーカスと呼ばれるベースキャンプがある元の会場にまたシャトルで戻り撤収手伝い。すべて終わった頃には時刻は28時をまわっていた。お疲れ様でした。知人姉が「楽しかったでしょ?わたしはこの仕事が大好き。超キツイけど大好きなのよ。I fucking love it!!」と熱っぽく語っていた。完全フリーランスなのでまた呼んでもらえるかの保証はないけど、帰り際に「来週は木曜か金曜かその両方に来てもらうからね」とサラっと言われて安心。まだ始発電車が走ってなかったのでKey PAが車でうちの彼の家まで送ってくれた。やっぱ車あったほうがいいよな…。運転練習しよ。

PAは飲食時も含め絶対に座ってはならないという体育会系のルールがあるので(カナダではこういうのものすごく珍しい)、脚も腰もバキバキに痛い。すでに秋の気配のバンクーバーの夜は冷えた。明け方バスタブに湯を張って長い一日の出来事を思い出してみてもまるで夢の中にいたようで実感がなかった。この物語は来年テレビで放映されれば永遠に語り継がれ誰かの心の中に生き続ける。わたしはたしかに物語の誕生に立ち会った。

おニューの靴が泥まみれ。


【追記】この日記を書き始めてから怒涛の忙しさでずいぶん時間が経ってしまった。同じドラマの現場を中心に、合間に別件のCMもやらせてもらって順調順調。あまりにも濃い毎日。一週間でファストフード時代の月収以上を稼いだ。遠くまで来たもんだ。




2018/08/26

銀幕の向こう側へ

6月に仕事を辞めて、ひと夏ゆっくり自分の将来について考えてきました。今までずっとフリーターで適当に楽そうな仕事とか人に紹介してもらった仕事とかをしてきて、カナダに来てからは5年間もビザの関係でファストフード以外の仕事ができなくて。やっと移民してからは髪を黒く染めてスーツを着てまっとうな人間になろうとしたけどやっぱり続かなかった。同世代の子はとっくの昔から得意なフィールドで経験積んでいまや出世してるのにわたしだけがいつまでたってもフリーターのまま。お給料だって満足な額もらえたことがなくて、もうやりたいこと探すのに疲れちゃった。

というわけで、やっぱりわたしは映画の道に進むべきだと思うのだ。今度こそ覚悟を決めてこの道で生きていくことにした。もう迷わない!

実はバンクーバーはハリウッド、NYに次ぐ北米第三の映画都市で、アメリカ資本の大作映画なんかも結構バンクーバーで撮ってたりする。米ドル加ドルの為替や税金の関係で制作費が安く済むとかなんとかで、これからさらに成長が期待される産業だという。だからしょっちゅう街中でロケやってるの見かけるし映画業界に従事する人口も多い。銀行で働いてる時もよく映画関係の人がお給料の小切手を預けに来てたんだけど毎度その額面に驚かされていた。支店長の彼氏も業界の人で、なんと支店長よりも稼いでいると聞いた。仕事を辞めて次何しようと考えていた時期にちょうどうちの彼のルームメイトや友人が映画の仕事をしていて、彼らと遊んでるうちに「わたしにもできるかも」とふつふつ情熱が湧き上がってきたのだった。映画の人たちはとにかく儲かっていて羽振りがよい。

全編バンクーバーとその近郊で撮影された『デッドプール』シリーズ

アメリカが舞台と見せかけて
実はバンクーバーで撮っている作品は多い

ずっと昔からひそかに映画の仕事をしたいと思っていたのに勇気が無かった。映画学校を卒業してるわけじゃないしクリエイティブなタイプでもないから、自分には縁がないと思っていた。永住権を取って就職する時も映画と迷って結局手堅そうな銀行を選んだ。その時のブログには「もう30歳なんだから夢を追うよりも安定した仕事をして趣味として映画を楽しむほうがいい」とか書いてある。そうやって自分に限界を課していたのは、他でもない自分でした。それに気付かせてくれたのはやっぱり映画で、『ブリグズビー・ベア』っていう作品なんですけど…ちょうど「もしかしてわたしにもできるかも?」とそわそわしてた時に観てガーンと感銘を受けてしまって、これは天啓だ!と思ったね。こういう『僕らのミライへ逆回転』みたいな映画を作る系の映画が大好き。自分だって作る側になれるのに挑戦もしないで諦めるなんてダメだ。


それで具体的にどうやったら業界に食い込めるのかリサーチを始めた。彼の友達も言ってたように、現場やりたいならProduction Assistant通称PAといって要するに雑用係をしながら他の部署の仕事ぶりを見学し、そこから希望の部署に弟子入りするのが王道のキャリアコースらしい。彼はちなみにそこをすっとばしていきなりGrip部に入った。そういうこともある。どこでPAの仕事を見つけるかというとロケやってるの見かけたらその場で交渉して雇ってもらうか、プロダクションに直接連絡するか、あと特に最初は人の紹介で入る場合がほとんどらしい。出たよ、リファーラル(コネ採用)!何度も言うようにカナダの就活戦線は完全にコネの世界で、実力よりもコネのある者が栄えるようにできているのです。これはもう職安やビジネスススクールでも一番強調して教えられる事実なんで。わたしはとりあえず彼の友人らと、フェイスブックを頼りにコネを手繰り寄せることから始めた。無職で暇なのをいいことにいろんなところに出向いて「映画の仕事を紹介して欲しい」と騒ぐようにした。もはや特技である謎のコネ運で戦う時が来た!

PAになるにはっていうかカメラや音声や監督に至っても基本的に学歴は不問ですが、あると有利というか実質必須の資格というのはいくつかあって、それはまとめて取った。Motion Picture Industry Orientation、Safety Awareness、WHMIS、そしてTraffic Control Person Certificate (交通整理。笑)の4つ。内容はほとんど全部安全についての講義を聞いて確認テストを受けるというもの。映画のセットというのはクレーンがあったり爆発があったりドライアイスを扱ったり危険がいっぱいで、死亡事故なんかもけっこう起きている。なので安全対策の知識が現場に居合わせる人間全員に求められるのだ。応急処置の資格も重宝されるらしいけど受講費が高いのでちょっと今は無理(最高レベルの3だと約900ドル=7.6万円?!)。

MPIOは映画学校での2日間集中講義。学校久しぶり

映画のレジュメはポートフォリオみたいなかんじで名前と連絡先のあとは今まで関わった作品を列挙するだけなんだけど、わたしは経験がゼロなのでいわゆるソフトスキル(頑張り屋とかチームプレイヤーとか)と、取った資格と、簡単に略式の職歴だけ箇条書きにした。それを少しでも映画関係のつながりがありそうな友達にPDFで送りつけた。

そうこうしている間にフェイスブックの投稿を見た古い知人が、彼女の姉がALM=アシスタントロケーションマネジャー(現場で一番偉い人)なので直接連絡を取ってみては?とメールアドレスをくれた!すごいチャンス。熱烈にアピールするメールを送ってみたらあっさり初仕事が取れてしまった。というか知人が念を押して口添えしてくれたみたい。ありがたやありがたや。新人はボランティアなどでレジュメに書ける経験をかせいだりするものだけど、いきなりギャラの出る仕事にありつけるなんて超ラッキー。せっかくのご縁なので絶対にがっかりさせたくないと思いYouTubeなどで猛予習。ビジネスマナーやセットで使われる独特の用語などおさえておく。


映画の現場仕事について誰もが口を揃えるのがお給料がいいということと拘束時間がめちゃくちゃ長く過酷ということ。一日15時間以上働くのが普通で週に5日から6日、プロジェクトが終わるまで働きまくりというのが一般的。その代わりフリーランスなので仕事の量は自分で調整でき、三ヶ月間ぶっ通しで働いて一ヶ月間以上まるまる休みみたいなことが可能。大きい病気はしなくとも異様に疲れやすい体質のわたしに果たしてこんなガテン系の仕事が務まるかだいぶ不安ですが、初仕事でいきなり徹夜のロケに呼ばれた様子は次の記事に書きます。ハロー、新しい自分。わたしはまだまだ進化を止めない。

2018/06/14

仕事辞めました

銀行の仕事を丸一年で辞めてしまった!


辞表はカナダとアメリカでは2 weeks noticeといい、その名の通り辞めたい日付の2週間前までに申し出るのが一般的。直接ボスに話すのはもちろんですが、言った言わない問題にならないためにも紙に書いてサインしたものを渡すのがマナーでしょう。銀行は特に書類にサインするの大好きだからな。これは①ズバっと辞意・具体的な日付②簡潔な理由③謝意④結び・引き継ぎの意思、とだいたいテンプレが決まっている。就活のときにリファレンスといって過去3件の職場に聞き込み調査が入ることはよくあるので、どんなにムカつく仕事でも悪い印象を残さないよう穏便に。don't burn your bridges。

2 weeks notice letterの例


Dear Ms. (ボスの名前),

Please accept this letter as formal notification of my resignation from 会社名. My last day will be Friday, June 8th. 

This was not an easy decision to make as I truly enjoy and feel accomplished that I develop new skills to help our clients everyday, with the support of the amazing team. I love our branch as a community. However, it’s getting harder for me to maintain life-work balance due to the weekend schedule. I’ve been trying my best to make it work but finally came to the decision that I should take a moment to contemplate my career path this summer.

It’s been such a pleasure working with you and representing 会社名 for the past year. I would like to thank you for this tremendous learning opportunity. I wish you and the team every success. Please let me know if there is anything I can do to make this transition a smooth one.


Sincerely,
Chihiro Okuyama

仕事の覚えが自分でもどうかと思うくらい悪くて迷惑かけてばっかりだったボスが、辞表を渡したら明らかにショックを受けた顔をしてたのでなんか辛くなっちゃった…。でももう後戻りはできないぞ。

どうしても欲しくて努力してやっと手に入れて最初は絶好調浮かれてたのに、だんだん嫌なところばかり気になるようになって愚痴が増え、最後には「ここにいるのが耐えられない」とまで思うようになるなんて、仕事ってまるで恋みたいだね。

銀行で働いて嫌だったこと

スケジュール問題
「ここにいるのが耐えられない」と思った一番の理由は土日に働くのが嫌すぎたせいです。銀行法で定められた時間帯にしか営業できないことになってる日本とは違い、カナダの銀行は現代人の多様なニーズに合わせるために少しずつ営業時間を拡大する動きが出ている。とはいえ日曜まで開いている支店はごく少数。一次面接の時に「じゃあ次は配属先の支店の人たちに直接会ってもらうからね。この支店は土日も開いてるけど大丈夫かな?」と言われて、そのチャンスをどうしても逃したくなくて咄嗟にYesと言ってしまったのが運の尽きであった。Noと言っても別に他の支店に回されるだけだったはず。

いやー自分にとって土日休みがここまで重要とは当時は思っていなかった。彼も友達も、サービス業の子さえ日曜は全員休み。わたしだけ一年間全ての遊びもパーティも我慢して、家で大きいパーティがあるときはうるさくて眠れないので人の家に泊まらなければいけなかった。集中力を要する仕事なのでとてもじゃないけど二日酔いや寝不足で出勤するわけにはいかない。友達に会う機会がほとんど無くなって孤立してしまった。日曜の昼出勤するとき近隣のレストランでミモザとエッグベネディクトでブランチなんかしてる人々を見るだけで殺したいくらい羨ましかった笑。仕事しかしない生活は本当、心が荒む…。まだまだ遊びたい年頃さ!悪いか!わたしはただ遊びたいだけだけど、小さい子供がいるファイナンシャルアドバイザーとかも気の毒でね。学校が休みの週末くらいどこか遊びに連れて行ってあげられたらいいのに、余計なお世話だけど。スケジュールはseniority(勤続年数順)で決まるので下っ端が一番人気のないシフトをやる。うちの支店は全然上が動かなくていつまで経っても土日固定のままだった。世の中の人が当たり前に休みの週末も、わたしは有給を使わなければ休めないし断られることもあった。有給も祝日前後とかオイシイところは先輩が全部押さえてしまうので海外旅行に行けるような大きい連休は基本取れない。

土日は短縮営業なので週5日働いてるのに給料(時給制)が少なくなるのも困った。せめて給料割増にすればシフト入りたい人もいるだろうに。わたしはそれでも嫌だけど。オペレーション的にもグダグダで、一部支店を無理やり開けているだけでバックオフィスは閉まっているので全ての取引は翌営業日分の日付になり、ちょっと難しい取引なんかは対応できない。だから苦情ばっかりになる。対応できるシンプルな取引についてはほとんどオンラインバンキング、テレホンバンキングとATMでできるので何故支店を開けなければいけないのか謎すぎた。しかも土日は極限まで人員を削減し、お客さんも極端に少なく閑散としているのでセキュリティ的にかなり問題がある。支店長も副店長も土日は働かないという噂が広まったのか、週末に集中して詐欺や脅迫が多い。普段なら「支店長呼びましょうか?」と言うだけで追っ払えるチンピラどもにわたしたちテラーが対応しなければならない。セキュリティガードもいないし。アメリカと違って銃を持っている一般人は少ないけど、職員の身に何かあったら、とか全然考えないんだなと思った。テラー二人いても一人が休憩行ったら1時間ワンオペ。殺されなかったのがラッキーである。こないだはなんとパソコンが丸ごと盗まれた!顧客情報は全部クラウド保存なのでハードドライブは空っぽとはいえリスク管理やばくない…。

ただし日曜は毎週差し入れが入る。


給料安すぎ問題
給料が安い、いくらなんでも安すぎる。テラー(窓口業務)ポジションはもともと難しい仕事ではないのでどこの銀行でも大した給料を出してないのだが、うちが絶対に業界最安値の自信がある。だってほぼ最低時給だもん。誇張抜きにファストフード時代と収入変わらない。この前うっかりファイナンシャルアドバイザーの給料を見てしまったのだがこれまた激安だった。みんなあんなにがんばってるのに…!怒。社会貢献とか表向きにいい事言ってる暇があったら、せめて社員が人間らしい生活を送れる給料を出して欲しい。

接客のストレス
有名な話かと思ってたんだけどもしかしてテラーがこんなに薄給で働いてることを知らない人も多いのかな?トンデモリクエストが多くて参った。わたしたちは資格もなけりゃトレーニングも受けてないので住宅ローンの相談とか乗れないぞ。あと税金のことは銀行ではなく税理士に聞いてください。ていうかそんな大事なことをカウンターごしに済ませようとするなー!ある程度社会的ステータスもお金もある人たちが全く常識的な事がわからないのにも驚いた。わたしなんか外人だし貧乏だけどそんなもん昔から知ってたぞレベルの話が通じない…。お金のこと何もわからなくてもお金持ちになれるというのは衝撃だった。

あと詐欺は小さいものから大きなものまで本っ当に多くて人間不信になる。なんで銀行相手にバレないと思うのか。苦情もめちゃくちゃ多いというかほぼ苦情処理窓口だし。怒鳴られたり意地悪を言われることもしょっちゅう。全く会話が成り立たないレベルのヤク中の対応もしょっちゅう。トラブルは大体ボスや先輩に丸投げなんだけど、そういう時に限ってみんな忙しかったりして一人でオロオロして特に最初の数ヶ月は胃が痛かった。半年も経ったら完全に開き直ってふてぶてしくなったけど。

月始め、月終わり以外はけっこう暇

将来性の無さ
うちの銀行ではテラーをどんどん減らして、というか完全にカットしてファイナンシャルアドバイザーと面談する個室がいくつかあるだけの支店を増やしている。テラーってそれこそ5年以内とかに無くなる仕事なんじゃないかな?採用された時は野望に燃えていて資格をとってファイナンシャルアドバイザーになろうとか思ったけど、実際やってみたら単純に金融に興味ないなということに気づいた。これ以上ここで学ぶ事はもうない。


銀行で働いてよかったこと

スキルがついた
カナダで初めてのオフィスの仕事でビジネス英語が身についた。法律関係の会社とのやり取りも多く文書の読み方がわかるようになった。メールやFAXもよく使うし、毎日あちこちに電話をかけまくるので電話アレルギーがだいぶ軽減された。自分だけでは解決できないことが多すぎていわゆる報・連・相みたいなコミュニケーションスキルもついた。そして銀行の職歴をレジュメに書くとかなり印象が良い、ほぼこれが目的で始めた仕事だし。在職中もぼちぼち転職活動してたんだけど、カナダでの職歴がファストフードしか無かった1年前に比べると食いつきが全然違う。面接が平日だから行けなかったり面接落ちたりで結局スムースに転職できなかったけど、これからに期待。移民して最初の一歩として賢いムーブだったと我ながら思う。

カナダでのお金の仕組みがわかるようになった
日本でもカナダでも銀行の窓口に行くことって口座を開いた時以外ほとんど無かったけど、仕事をしてみて窓口で何ができるかわかった。カナダでは小切手(マネーオーダー、バンクドラフト)の取引がとても多く、その仕組みが完全に理解できた。貯金・借り入れの利子やクレジットカードのこと、為替のこともだいたいわかった。電卓打つのがめちゃくちゃ早くなった。ほとんどの手数料は交渉次第でwaive(免除)できることも知った。銀行辞めてもこの先ずっと役に立つ知識ばかり。あと、銀行の裏側がどうなっているのを覗けたのは面白かった。複雑なパスコード認証や、大金庫を開けるのにかなりコツがいる。

実際はぜんっぜんこんな豪華じゃないよ


ベネフィット=福利厚生が手厚い
カナダはアメリカと違い国民健康保険(MSP)がしっかりしていて所得にかかわらず誰でも安全な医療にアクセスすることができる。診察や治療や入院は全額カバーされるが薬代や歯科治療や眼科は自費になり、それは勤務先の会社がグループ保険に入れてくれる場合がある。保険の内容は会社によって違くて、銀行は別に良くも悪くもなく普通です…。前職スタバの店長だったテラーの後輩が「スタバの方がベネフィットよかった」ってボヤいてた。一応パートタイムでももらえるのは太っ腹かな?わたしは辞める直前に滑り込みで歯を徹底的にスケーリングしてもらいました。9割保険で出た。

しかし福利厚生は医療だけじゃない。有給や実質無制限のシックペイ(疾病休暇。風邪で休んでも全額給料出る)はまあ当たり前として、銀行ならではの特典として月々の口座維持費はもちろん海外送金や小切手帳の注文など高額なもの含めすべての手数料が無制限無料。何かを分割で買いたい時も金利が激安か無料。クレジットカードの年会費半額。従業員向けの投資プラン、年金プラン。あと、条件が甘かったのでPersonal Line of Creditアカウントを開いておいた。クレジットカードより金利が全然低いローン商品。わたしの年収では普通は審査通らないけど、フルタイムで働いてるのに十分な給料出してないのはどこの会社でしょうねえ…という話なのでだいぶ大目に見てもらった。別に使う予定ないけど万が一急な出費があった時のバックアップとしてと、あと将来もし大きいローンを組みたくなった時にすでにローンを持っていると捗るかもということで。長いスパンで考えてカナダでのクレジットスコアを育てるのはとても大事なのだ。

お金持ちとの人脈ができる
レストランのオーナーが顧客にいるから飲みに行ったらサービスしてもらえたりとか、まあそんな程度ですけど。コミュニティ色が強い支店なので名前を覚えて毎日しっかり会話をするクライアントが多い。High five (ハイタッチは和製英語だよ)したり、カウンターから出ていって「久しぶりー」ってハグしたりする(日本の銀行と雰囲気が違いすぎ笑)。どっかでバッタリ会ったら絶対お互い認識できると思う。狭いバンクーバーだからどこでまた縁があるかわからないね。ネットワーキング、ネットワーキング。

そういえば「もうすぐ誕生日」と言ったら翌日戻ってきてくれて$100の食事券をくれた人がいた。しかもそれ以降一回も会ってない。個人的にギフトを交換するのは本当は会社の規則で禁止されてるけどファイナンシャルアドバイザーたちはクリスマスとかお客様から相当ギフトカードもらってたね。お弁当やドーナッツやコーヒーの差し入れはほぼ毎日。

自信がついた
カナダの銀行窓口は日本とは違ってそんなスゴい仕事というイメージはない。かといって誰にでもできる仕事でもない。今までずっとフリーターでスーツを着たことすら無かった自分にとってはすごい進歩で、「わたしは銀行員!」というプライドが生まれた。

最高の仲間と一緒に働けた
なんだかんだで一年続けられたのはひとえにawesomeな同僚たちのおかげでした。一人除いて全員女性のチーム。みんな接客のプロなので明るくてノリがよくて、クライアントも一緒にみんなで延々おしゃべりして本当に楽しかった。支店長や副店長もめっちゃ話しやすくて心配事があったらすぐ相談できる。小さい支店だから人間関係がいい意味で密で、スタッフイベントも定期的にあったしよく飲みに連れて行ってもらった。年末の総会の時にはみんなでコスプレして他の支店の子たちと一緒に踊り狂ったねえ。わたし調子に乗りすぎて追い出されたけど笑。もちろん仕事中にはフォローしあった。balanceできない時には(日本語訳わからん、『収支が合わない』?)テラー仲間が残って一緒にdifference探してくれた。



最終日泣くまいと思ってあんまり上手にありがとう言えなかった。結局泣いたけど。文句ばっかり言ってても最後は感謝の気持ちだけ残るものですな。ここで教えてもらった事を糧に、今度はもっとお給料がいい土日休みの仕事を探す。しかし、しばらく休ませてくれ…夏だし。一年間遊べなかった分取り返すぞ。パーティ!パーティ!