2012/05/07

Cinema Review: Youth in Revolt


Youth in Revolt (2009) 日本未公開、未ソフト化 imdb  予告編

中古DVD屋で$4.99。最近DVDで映画観つつ英語勉強というのにますます力を入れております。こちらのDVDには必ず英語字幕が入っているので字幕なし→字幕オンにしてわからない単語を確認→もう一回字幕なしで観返すとあら不思議、バッチリ聞き取れるようになっている、という具合に、大変タメになるのだ。飽きないしね。


【あらすじ】
『JUNO/ジュノ』(2007)『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』(2010)『スーパーバッド 童貞ウォーズ』(2007)『キミに逢えたら!』(2008)でボンクラ童貞俳優となったマイケル・セラ主演。よく考えてみたら『JUNO』ではジュノ(エレン・ペイジ)を妊娠させているし、『スコット~』ではバンドやってモテてるし、『キミに逢えたら!』では元カノに贈った「マイベストmix」テープを拾った別の美女と意気投合、と正確に言うとそんなに童貞演ってないのだが、どうにも童貞のイメージが強い。たぶんボンクラと童貞がごっちゃになっているのだろう。本作では読書とシナトラ、フェリーニや『東京物語』が大好きな文化系童貞の役です。

自由奔放すぎる両親に振り回され、16歳にして人生悟りモードのニック(マイケル・セラ)。母親の恋人(ザック・ガリフィアナキス!)が起こした問題から逃れ訪れたオートキャンプ場で運命の人シーニーに出会う。キュートなだけでなく、ジャン=ポール・ベルモントや古いレコードをこよなく愛し、いつかフランスに移住したいというクールな女の子。思わせぶりな彼女はしかし、インチキ詩人のイヤミな彼氏に熱を上げていた。長身、フランス語ペラペラ、水泳選手の詩人を相手に手も足も出ない気弱なニックはもうひとつの人格フランソワ・デリンジャーを作り上げ、「彼女を手に入れるためならなんだってする!」とかなり間違った方向に猛突進していく。


【感想】
 童貞をこじらせた主人公ニックが一途で狂った愛をモノローグ形式で淡々と語るちょっとブラックなラブコメディ。あらすじからおわかりいただけると思うのですが、ちょっと『ファイト・クラブ』みたいな話でした。

別人格フランソワ(左)の手を借りてクールなワルになろうとする童貞(右)
"It's time to be bad, Nick."

フランソワというのはシーニーが夢見る未来の旦那様で、青い目のフランス人。母子家庭手当てで生活している母親から逃れ遠く離れた避暑地に暮らす彼女と一緒になるためにありとあらゆる悪事を働こうとするものの、気弱な自分に打ち勝つ事ができないニックの元に現れたもう一つの人格。常に煙草をくゆらせ、口ひげに裸足ローファーというスタイルでニックをそそのかす。しかし、どうやってもマイケル・セラはマイケル・セラなのでひたすら滑稽。

彼女のために指名手配犯となったニックは計画通りシーニーの元へ駆けつけるが、彼女はすでに例の恋人とともに全寮制のフランス語学校に移っていた。しかしここで諦めるニックとフランソワではない。フランス語に堪能なインド人?ヴィジェイをお供に寮に乗り込む。ここで登場するシーニーのフラットメイトを演じるのは『ソーシャル・ネットワーク』で「あのカワイイ娘は誰?」と注目され、直後『ドラゴン・タトゥーの女』のヒロインに大抜擢されたルーニー・マーラだ!他にザック・ガリフィアナキス、スティーブ・ブシェミ、ジャスティン・ロングと豪華なキャスト。母親の新恋人の警官(レイ・リオッタ)、不法移民をかくまっている近所のおじさん、ニックの唯一の親友"レフティ"、宗教オタクのシーニの両親、寮のトイレの天使などキャラがよく立っていて、それぞれの伏線がきちんと回収される。後半、シーニーの兄でヤク中のジャスティン・ロングが登場してからの全員トリップには笑った。家庭不和、郊外の閉塞感、もう一つのエゴ、爆発、指名手配、愛するシーニーを放校させるために睡眠薬を盛るなど、シャレにならない事態を「すべては愛のために」と笑い飛ばす。互いに夢見がちな16歳の男女が「それって…なんかロマンチックー♡」と容赦なく世界を破壊していく様子はブッ飛んでいて楽しい。

イエイ イエイイエイ♪



【ひとくち英語メモ】
I think of this radiant girl being swept away by handsome pretentious poet and it crushes me. She could never like me unless I decided to radically change every detail of  my personality.
(イヤミなイケメン詩人に熱を上げて幸せいっぱいな彼女を思うと胸が苦しい。ぼくが人格全てを根底から変えでもしない限り、彼女がぼくを好きになる事など決してありえないだろう。)

pretentious (プリテンシャス)というのはsnob(スノッブ)に少し似ていてお高くとまったイヤミなやつ、という意味なのですが、もっと具体的に言うと「へえ、映画好きなの?たとえば?」って人に聞いておきながら、その答えに対して「へえ~(笑)それで自称映画好きとか言っちゃうわけね(笑)」と鼻で笑うようなインテリ気取りの事を指すらしい。いるよねー、こういう奴。これを一言で表現できるなんて便利だわ。

2012/05/03

今日の名言



"Life doesn't care about your vision. Stuff happens, you just got to deal with it. You roll with it, that's the beauty of it all. "
人生はお前の将来のヴィジョンなんて気にしちゃいないのさ。ただ運命に身を任せて、起きた出来事をどうにか始末していくしかない。それだけがお前にできる事だ。


 "You can go around blaming everyone else, but in the end, until you take responsibilities for yourself, none of this gonna work out."
そうやって全部誰かのせいにしていればいい。しかしお前が自分で自分の責任を取ろうとしない限り、何も始まらないよ。


-Knocked Up (2007)

2012/04/27

bimbo 鈍する

こっち来て初めての面接(前回の記事参照)ですが、なんとアッサリ予選通過、web試験突破、トントン拍子で最終決戦へと駒を進めました。「何かの間違いか?」とか言いながらニヤニヤが止まりません。正直調子に乗っていたので、「Be yourself. 自分らしく自信持って話せばいいだけよ」とか寝ぼけたこと言いながらロクに準備もせずにマネージャーとの一騎打ちに臨んだところ、これがまあ大失敗。基本の基本といった質問にシドロモドロ、「バンクーバーどう?気に入った?」なんてサービス問題にもシドロモドロ。焦れば焦るほど言葉が出てこなくなって、散々なものでした。そしてそれは、紛れもなく最低限の努力を怠った自分の所為でした。「採用の場合2週間以内に連絡するね」と言われ、返事を待っている間にもガンガン履歴書をバラ撒いて就活すべきだったんだけど、1ミリほどの希望が頭をよぎり集中できなかった。そしてついに2週間、連絡はありませんでした。わかってはいたけど悔しい。考えれば考えるほどあのお店は自分にピッタリで、逃した魚は大きすぎました。まあ服屋店員は離職率が高く、すごいサイクルで入れ替わってるらしいのでしばらくしたらしつこくチャレンジしてみるというテもあるが。


その後すぐまた別のギャルっぽいブランド(パリス・ヒルトン御用達的な)の面接を受ける機会に恵まれ、今度は少しだけマシに話すことができたのですが、まだ面接なのに「1時間ごとの売り上げノルマは絶対」だとか「1点だけお買い上げっていうのはありえない。絶対に2点以上買わせてね」だとか商売の話全開でゲンナリ。そうか、洋服屋といえばノルマ!忘れていたよ。もしかしてどこもノルマあるのかな?じゃ、ヤダな。。。そもそもわたしはなぜ洋服屋で働こうとしているのでしょうか。たぶん、何かオシャレっぽい事柄と関わりを持ちたいのでしょう。そして、かわいいお洋服着て店内でユラユラしてるだけなんて楽勝じゃん、と思っているのでしょう。現実はそんなに甘くありません。服屋の店員に求められているコミュ力は尋常じゃないのです。接客業とは頭の回転の速さだとか、遠慮なく自分から人に近づいていく強さだとか、にじみ出る「人が大好き!」オーラだとか、何よりも揺るがない自信、そういった資質を持った明るい人間の天職なのでしょう。これらはもともと性質の陰気な人間が付け焼刃で後付けできるスキルではないのです。履歴書を書いていて気づいたんだけどなんとわたし15歳から10年間サービス業に従事してきました。ファミレス、コンビニ、スパ受付、スポーツ用品店、レストラン、歯医者受付。10年やってやっと気づいたんだけど、わたしサービス業にちっとも向いてない。株トレーダーにでも転向しようかしら。あ、数学と経済学が体育の次に苦手なんだった…

気持ちが暗くなってきたので唐突に楽しい写真。こないだの大麻記念デーの様子。

カナダに来たんだから生まれ変わって明るい人間になろうという気持ちと、変わらない自分に自信を持てるようになろうという気持ちと。とか考えている間に今度の今度こそ本当に資金が底を尽き、冷蔵庫も空っぽで、お金がないから出かけられないのに家で大家(詳しくは書かないが『何がジェーンに起こったか?』あたりのサスペンス映画を連想させるリアルなサイコ)と一緒にいると気がおかしくなりそうで、彼のせいで唯一の友人でもあるルームメイトたちが一気に引っ越してしまい、あまり喋らなくなったせいもあって英語思うように上達しないし、仕事は見つかるきざしもなく、バンクーバー100日目(!)にしてオセロが返ったように何もかもがうまくいかない状況であります。これが人や運のせいでなくて100%自分のせいというんだからたちが悪い。

。。。。
この程度でメゲてどうする!こんなのは苦労のうちに入らないぞ。When you decided to move to Vancouver you swore yourself  to embrace everything  including difficulties willingly, didn't you Chihiro? 人や運じゃなくて自分をもって戦うのよ。

2012/04/05

ハウスマヌカンになりたいの

気がついたら一ヶ月ぶりの更新。生きてます。忙しかったのよ。
実家に「お金なくなった。ください」とメールしたところ、「ダメ。働け」との返信。了解。
ワーホリで来てる日本人は日本食レストランか土産屋あたりで働くのが相場なんですが(英語喋らないで済むから)、ここでその相場に甘んじるほどわたしは素直じゃありません。なんとなく服屋とかどうかしらん、と思っていた矢先にルームメイトで親友のマニュ子から某アパレル店がjob fairを開くという吉報を受ける。わけもわからぬままとりあえず行って来ました。新店舗オープンに伴った大量採用選考会みたいなもので、直接採用担当者に会うことができます。普通なら履歴書を配り歩いてアポを取り、面接にこぎつけるだけでも大変なので、これはものすごい大チャンス。何から何までメルシーボークー、マニュ子。彼女については今度詳しく紹介するね。


それにしても急すぎるよ!メール来たのが4日くらい前だっけ。一般英語クラスのあと履修するはずだったビジネスクラスが受講希望者不足で休講になり、履歴書の書き方も面接対策もなしに急遽卒業することになっちゃって、ただでさえアワアワしてたのに奇しくも卒業式当日にこのビッグチャンス。ああ、目が回る…。なんでこう何もかも行き当たりバッタリなんだろう。「将来の計画を立てることなんか何の意味もない。どうせ人生は計画通りには行きやしないんだ」尊敬する師のお言葉です。おそらくわたしが都合よく曲解したんだと思うけど、たしかこんなことを仰った。これがわたしの座右の銘。3.11以降この言葉の重みが…あ、話が反れた。やめ。


アパレル業となればやっぱり面接にはそこんちの服を着て行くのが礼儀だろうが、今回エントリーしたのは日本には店舗のないブランドなので持ってるわけもない。一応春らしい格好のほうがいいだろうとアウターは昔からよく着てるadidasのジャケットに決めたけど、これに合せられる手持ちの靴がナイキのスニーカーかクロックスの長靴のみ。服屋の面接に、そこんちの服を着ないだけでも申し訳ないのにadidas × ナイキって部活…?ちょっとヒドいよなあ、と思い急遽靴を購入。お金ないのに…トホホ。お金ないのに時間もないので大衆靴チェーンALDO(日本で言うところのEsperanzaといったところか。いや神出鬼没具合からしてABCマートかな)にて。人と持ち物がカブるの耐えられないわたしにとっては屈辱的選択。気に入らないけどとにかく時間がない。高いけど、安いの探す時間がない。荷物重量制限で衣類、靴を持って来れなかったのがひどく悔やまれる。実家から送ってもらおうにも送料がめっちゃくちゃ高い。

家に姿見がないのでモールで撮った。相変わらず残念なプロポーション

あんまり気に入らないけど履いて歩いたら巷で大好評だったので少し自信がついた。なぜ巷で大好評だとわかるのかというと、歩いてるだけで「靴カワイイ!」「髪カワイイ!」「メイクかわいい!」とバンバン声をかけられるから。一日で20人以上は話しかけられたかな?しまいには一緒に写メをとって欲しいと言われる始末。モデルかなんかやってるのかと真顔で聞かれたりもした。いくらなんでも盛りすぎだろうと思われるかもしれないが、れっきとした事実である。東京でストリートスナップに捕まったことが一度もないのをひそかに気にしているわたしだが、ここでは人気読モにでもなった気分だ。バンクーバーはオシャレに飢えている。


job fair会場はカフェの地下フロア。いかにもアパレルって感じの姉さん、兄さん(備考:明らかにゲイ)たちが出迎えてくれる。そういう人種がバンクーバーに存在するってことに感激。イモばっかなんだもん。徹夜で書いたapplication formを手渡し、しばし待機。6人くらい揃ったところでテーブルに案内され、グループ面接。当たり前だけど英語ですよ。当たり前だけどわたし以外は全員外人。当たり前!ここカナダ!最近やっとこの状況に慣れてきたわ。先に特攻したマニュ子速報によると「変な質問ばかりされた。『もしあなたがクルマになれるとしたらどんなクルマになる?』とか」とのことだったけど、わたしの回は普通の質問でした。「あなたにインスピレーションを与えるファッションアイコンは誰?」「なぜうちで働きたいの?」「どうやってチームワークを築きあげる?」「今までに受けた印象的な接客は?」「あなたのファッションスタイルってどんなの?」かな。時計回りに答えるとちょうどわたしが最後だったのでちょっとラッキー。他のcandidatesは「服屋の面接にその格好はないだろう…」ってかんじ。服も冴えなきゃanswersも冴えなくて「えー、右に同じく」みたいなかんじ。わたしがmanagerだったら全員(自分含め)落とすね。「あなたのファッションスタイルってどんなの?」に「ラクな格好」「無難なやつ。黒っぽい服とか」って、そりゃないだろ!言っとくけど無印良品の面接じゃないからね。けっこうトガった服屋の面接だから。ヤル気あるのかな?わたしはつたない英語でみんなと逆のことを答えました。「黒は絶対に着ない。葬式みたいなんだもん。fashionableであるためなら着心地、履き心地は犠牲にしたっていい」だとか。でも何しろ英語が不自由だからたぶん伝わらなかった。一応全部答えられたけど、ものすごく緊張していたので肝心な一言を言い忘れた質問もいくつかあった。くやしいのう、くやしいのう。頭ではわかってるのに思うようにできないのって、本当に苦しいよね。自由になるための鍵はただひとつ、勉強だけ。語学学校卒業しちゃったので、こっからは一人で勉強しながら職探しです。なあに、映画観ててもテレビ見てても買い物しててもルームメイトと遊んでても全部英語、つまり全部勉強なんだからどうってことないさ。


今日の面接はダメダメだったけど、正しい英語をハッキリ話す英語教師じゃなくてスピードも文法もめちゃくちゃなネイティブの言ってることがほぼ100%理解できたのでちょっと満足。だって2ヶ月半前バンクーバーに着いた時には入国審査官が何を言ってるのかまるでわからなくて、入国が危うかったんだもの。今日のくやしさをバネに、一筋の希望を糧に、就活はじめます。一ヶ月以内に見つからなかった場合は飢え死にか強制帰国の2択になります。さあ、どっち!

2012/03/10

ダイタイソー

毎週月曜日は新入生いらっしゃいの日、毎週金曜日は卒業生さようならの日。入学4週目にして最初のクラスメイト6人中5人は卒業してしまった。先週自己紹介して仲良くなれたらいいなと思っていたコが、今週にはもう帰国してしまうようなペース。猛スピードですれ違う人たち。東京界隈のパーティで出会うのとはわけが違う。共通の友達の誰ともつながらないし、もう二度と会うこともないだろう。出会いとはなんと儚いものだろうか。本当は仲良くなれたらいいなと思っているくせに言い出せず、今日も部屋にこもっている金曜の夜。相変わらずのはぐれメタル。


金曜は午前授業なので卒業セレモニー後『The Artist』を観に行く。ミーハー。感想はこちら。以下、予告編で気になった作品。

 
ウェス・アンダーソン×ローマン・コッポラの新作。これはアツイ!



ジェイソン・シーゲル、またダメ大人の役か…



ジュリアン・ムーアよく働くなあ。



スティーブ・カレルとキーラ・ナイトレイのラブコメ。



Bridesmadesのスピンオフ 、ではないけれどBridesmadesキャストが勢ぞろい。てかBridesmadesまだ観てないんだよね。4月28日に『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』の邦題で日本公開決定。うらやましい。こっちではもうDVDになってるんだけど最新作だからか、高い。 


しかし一番楽しみにしているのはなんといってもジョナ・ヒルとチャニング・テイタムのコメディ『21 Jump Street』。いよいよ来週公開。わくわく。




88 West Pender, 3rd Floor
Vancouver, BC

語学学校近くのシネコン。治安が悪い地域に片足踏み入れているロケーション。映画館だけかとおもったらちょっとした(さびれた)モール(International Village)になっている。フードコートもあり。噂には聞いていた日系ディスカウントショップ、yokoyayaを発見。夢中で物色。日系というかもはやプチ日本で、ダイソーの商品を扱っている。日本で100円のものが2ドル~。1ドルを100円と考えると高いが、実際には1ドルは今日のレートで約78円なので安い。ずっと欲しかった灰汁取りを2ドルで買えて非常に満足。100均のなにがいいって、値段もいいが品揃えが神。「あーこれこれ!これだよ!」ってピンポイントなものが狭い店内で必ず見つかる快感。カナダで小物を買おうと思ったら巨大スーパーの隅から隅まで一日がかりで散策しなければならない。そして安心の日本製。カナダで2ドルのものを買ったら一回使用で壊れるのがオチだ。バンクーバーにいるひと、yokoyayaに行けば日本の100均で売ってるものがなんでもあるぞ。わたしは他にハートチップルを買った。50セント。


それにしても日本語が書いてあったりJ-POPがかかっていると逆に落ち着かない。自分が今どこにいるのかわからなくなって混乱する。もうずっと日本語を話していなくて、こないだ久しぶりに語学学校の手続きで話したら発音がおかしなことになっていた。話していて不快だ。だからといって英語ができるわけではないので、今は得意な言語がない状態。言葉がないので人と話すことができず、自分が何者なのかわからなくなる。自分をかたち作っているのは他者なのだ。

2012/03/09

Cinema Review: The Artist



The Artist(2011) 『アーティスト』2012年4月7日日本公開 公式サイト imdb 予告編
2012/03/09 Cineplex Odeon Screen 1にて。第84回アカデミー賞5冠(作品賞、監督賞、主演男優賞、衣装デザイン賞、作曲賞)の快挙を果たしたフランス映画。なんと無声、白黒映画です。映画創生期の奮闘にあらためて賛辞を送った『ヒューゴ』と今年のアカデミー賞を競った作品。たまたまでしょうけど似たテーマが並びました。


【あらすじ】
女優志望のペピーは無声映画時代のスター俳優、ジョージと出会う。憧れのスターは無名エキストラの彼女に優しく語り掛けた。「女優になりたいんだね。だったら、他の人が持っていない何かを身につけるんだ」ジョージはペピーの頬にほくろを描く。持ち前のチャーミングなキャラクターと、キュートなほくろで一気にスターダムへのし上がるペピー。時代はまさにサイレントからトーキーへの転換期。「喋らない俳優はもう要らない」と言われてもサイレントにこだわり、自らメガホンをとるが失敗、富も名声も家族もプライドも失ったジョージ。手元に残るのはいまやお役御免のサイレント映画のフィルムだけ。そんな絶望の淵に、売れっ子女優となったペピーと再会するが…


【感想】
全編白黒サイレント映画、音楽アリ。冒頭にその様子が出てくるんだけど、昔はサイレント映画にオーケストラが演奏して音楽をつけていたんだよね。贅沢!音がないので台詞はときどき出るテロップのみ、映像で勝負の時代です。おおおお!って記憶に残るカットはいくつもあって、物語はシンプル。このシーン、本物のサイレント映画だったら心から感動しただろうな、って、おーい!結局まがいものでしかない。率直に申し上げるとおもしろくなかったです。古いものは古いからいいんだなあ、という印象。最新のデジタル技術で真似てみても、何かが違う。ヴィンテージワインに高いお金を払うのは熟成の時間を買っているわけで、東急ハンズで売ってるかき混ぜるだけで10年熟成されるマドラーを使ったところで意味がないんだよね。フランス版『Always 三丁目の夕日』ってかんじ。(ちなみにわたしは『三丁目の夕日』そんなに嫌いじゃないんだぞ)サイレント時代への愛情が特に感じられなかった。「これって今やると新鮮でしょ?」って意図がミエミエ。単純ながら饒舌だったストーリーもいまや陳腐なだけ。あー、なんか本物のサイレント映画が急に観たくなっちゃった。リスペクトと懐古は似て非なるものである。3D映画世代の子供たちに、『月世界旅行』より先に『ヒューゴ』を観せたいと思った。しかし『The Artist』よりは『街の灯』を先に観せたいと思う。無声映画って、『街の灯』と『フリークス』くらいしか知らないわたしだけれど。サイレント映画を知らない世代がこれをサイレント映画だと思ってしまったらマズいよね。先祖たちが化けて出るよ。やっぱりアカデミー賞なんてアテにならない。これが今年一番の映画?冗談でしょう。


それにしても主演ワン優賞との呼び声高いジャック・ラッセルのuggyちゃんが超カワユイ。ネコ派のわたしもさすがに参りました。知り合いでジャック飼ってる人がやたら多くて、そのコたちに会いたくなっちゃった。かわいいよう、わんわんちゃん。ワンコ映画としてはいいと思います。

2012/03/05

Cinema Review: Hugo



Hugo(2011) 『ヒューゴの不思議な発明』日本公式サイト imdb 予告編

2011/03/04 Scotiabank Thatre VancouverにてRealD方式デジタル3D鑑賞。

I understood 70% of the story. That means I missed  the rest of  the crucial pieces.Especially the lines of the station inspector played by Sacha Baron Cohen were hard to catch. Yet, I was really impressed from the bottom of my heart. This great movie must be the masterpiece of the 21st century.

【あらすじ】
パリの駅の屋根裏に住まう孤児ヒューゴは亡き父親が遺したロボットの修理に明け暮れている。ロボットにはひとつ部品が足りない。ハートの鍵だ。(ここで正直「ちょwww」って思った)
意地悪な老人ジョルジュに設計図を取り上げられ、警察官に追い回され、キュートな本の虫イザベルと出会い、やがて人と人とを繋ぐ糸が徐々にロボットへとつながっていく。最後のパーツが揃った時、物語が動き出した。しかしそれは、物語のほんの始まりに過ぎない。


【感想】
今年のベスト入り確実。素晴らしい作品。去年の『スーパー8』に続いて「映画って本当にいいものだな、映画を好きになって本当によかった」と心から思わせてくれる幸福な体験。『ニューシネマパラダイス』や『カイロの紫のばら』、『エド・ウッド』、最近のものだと『スーパー8』『僕らのミライへ逆回転』『イングロリアス・バスターズ』『恋するポルノグラフィティ』など、こういうストレートな映画愛ものには本当に弱い。こういう作品は映画に見慣れてしまった人にこそ観てもらいたいね。プリミティブな感情を思い起こす作品。何も知らずに観たから、ロボットが『月世界旅行』のシーンを描きあげた瞬間には「ああ、これはそういう映画なんだ」とわかって涙が溢れた。孤独な少年とロボットが心通わす話じゃなかったのかよ!ヤラレタゼ!


『塔の上のラプンツェル』が3D映画初体験で、そのとき飛び出す思わず顔を背けて飛んでくるものを避けようとした。「これってリュミエールの『列車の到着』みたいだな」って思っていたら、なんとスコセッシが映画にしたね。ここまで3D映像を効果的に使った作品は後にも先にもないだろう。3D世代の子供たちに映画の歴史を伝えていこうという心意気も感じられた。ちょっと高くても、絶対に劇場で3Dで観て欲しい作品。
回想シーンは『エド・ウッド』を思い出した。映画を作る映画って、どうしてこんなにドキドキワクワクするんだろう。イザベル(クロエ嬢akaヒットガール)が生まれて初めて映画に触れた時の表情、観客が生まれて初めて映画『列車の到着』に触れた時の表情、そしてこの『Hugo』を目の当たりにしたわたしたち観客の表情は同じ。かつて映画は、魔法だった。魔法はいまだ解けないまま。


上に英語で書いたんだけどサシャ・バロン・コーエンが何言ってるか全然わからなかった。他はけっこう聞き取りやすかったです。ヒューゴが「世界がひとつの機械装置だったとしたら~ぼくはその一部になって動かされたくはない。自分の目的でもって動きたいんだ」と言ってたような気がする。子供たちを踏みつけてもお構いなしにせわしなく行き交う人々は世界を構成する歯車の象徴。踏みつけられたって、逆らって歩きたい。映画の魔法と一緒なら、こわくないよ。