街が虹色に染まる季節が今年もやってきました。
この虹色はLGBT(Q)=レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、(クイア)といった多様な性のかたちを応援しますという意思表明です。バンクーバーはゲイフレンドリーな街として知られていて、毎年夏のプライドウィークと呼ばれる強化月間にはパレードを筆頭にトークショーや勉強会、映画祭などさまざまな催しが行われます。企業はこれに合わせてゲイ仕様の広告を打ち、ショウウインドウの装飾もド派手に。なんと市役所にも大きなレインボーフラッグ!なんだか泣きそうになった。
7月28日にここで行われたプライド・ウィーク開会式では、バンクーバーは市をあげて世界中で暴力や差別を受けるLGBTQの「難民」たちのホームを目指し、率先して啓蒙活動を行いますという宣言がなされました。市長のグレゴール・ロバートソン氏は「学校や公共スペースにおけるゲイフレンドリーなポリシー推進やゲイパレードへの支援拡大、またソチオリンピックでの積極的アピールなどはそのほんの一部です。ぼく自身ももちろんパレードに参加します」とコメント。なんていうか、日本とは次元が違うね…。
バンクーバーや新宿二丁目というある意味偏った世界に生きてきたわたしにとっては、この問題が一般的にどれくらい浸透しているのかわからないです。例えば東京レインボーウィークがあって、NHKハートをつなごうという番組があって、そこで戦ってる人たちを実際見てきて、特に日本が遅れているとは思わない。でも諸外国でのホモフォビア(同性愛嫌悪)ってきっと日本よりひどくて、同性愛行為が犯罪になる国があったり、性的嗜好のせいで殺されたり自殺しちゃったり、そういう日本ではあまり聞かない話って世界では日常茶飯事なので、どんどん権利を主張していかないと負けちゃうっていう危機感が日本より強いように感じます。
セクシャリティに限らず、人種や身体的特徴、信仰といった、どうやったって変えられないものが差別の対象になることを想像してみて。自分や家族や友達がそのせいで苦しんだら…?プライドウィークは当事者だけでなく、全ての人が差別や多様性について広く考える機会であるべきなのです。差別と無関係な人なんかいないです。差別主義の被差別者だって当然います。
そんな戸惑いや悲しみなんか笑い飛ばしてやる!というゲイカルチャーの強さを肌で感じたパレード。愛だらけ。めちゃ暑かったのでずっと日陰にいて写真が暗めです…
フロートにはDJが乗っていて爆音で音楽が鳴るようになってるの。半裸のイケメンダンサーズがグイグイ腰を振るとひときわ大きな歓声が上がります。セビくんは精度抜群のゲイダー(ゲイを見分けるレーダー)で遠目でも「あれは本物のゲイ、あれはにわかゲイ」と見分けまくってた。※別に本物のゲイじゃなくてももちろんよくてLGBTの権利を支持する人なら老若男女セクシャリティ問わず誰でも参加できます。踊らにゃ損、損。ダンス、ダンス、ダンス!おじいちゃんおばあちゃんのグループとかかわいかった。ワンちゃんもいたな。あとは伝統的な民族衣装を身にまとったエスニックグループや、教会とか警察とか学校とか、参加団体のバリエーションが楽しい。花形のドラァグクイーンはとにかくかっこよかったです。
オシャレして出かけたらいっぱい写真頼まれて有名人になった気分。えへ。てか、フロートに乗りたい!来年ぜひ。
セビくんはパレードで踊ったことあるらしい。ずるい。この後は適当に彼のゲイ友のパーティに混ざろうという話だったんだけど、彼らが二日酔いで欠席だったりバケーションで街を離れていたりで難民状態にー。タイミング悪し。年に一度のかきいれ時でクラブのエントランス料金は跳ね上がり、入場規制がかかる混雑ぶりなのです。パーティ遊びは諦めてなんとなく海を見に行く。
うしろにレインボークルーズ! |
お互いのセクシャリティのこととか、これからの関係とかとことん話し合って正しいレインボー記念日でした。おうちに帰って大好きな『チェイシング・エイミー』を観た。愛の真理をとらえた映画で、わたしたち二人とこの日にふさわしい作品です。誰かを愛することには痛みをも伴うけれど、恐れず、ばかなプライドは捨てて、気高いプライドは離さず携え歩いていこう。そういう覚悟を持った人を笑ったり傷つけたりする権利なんか誰にもないよ。
2 comments:
うさぎさん、はじめまして!
あなたの書く文章が大大好きです!!私はバンクーバーに住んでいたことがあり、とても懐かしく楽しいです♡!
ずっと前からブログ読ませてもらってたのですが初めてコメントしてみようと試みてみました☆
これからもブログ楽しみにしております^^♡
Ericaさん、はじめまして。きゃーんうれしい!テレちゃう!もったいなきお言葉ありがとうございます。ちょっと最近は仕事やセビくん(ブログ参照)とのイチャイチャに忙しくあまり更新できていないのですが、日々面白いネタがないか目を光らせてはいるのでまた読んでくれたらうれしいです。
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